目次

歯列矯正での失敗でよくある7つのケースと治療を成功に導くポイント

これから歯列矯正治療を受けたいと考えている方に向けて、歯列矯正の失敗例をご紹介します。
歯列矯正は高額な費用を払って、長年かけて受ける大掛かりな治療です。
「絶対に失敗したくない」と思われるのは当然でしょう。
そこで今回の記事では、歯列矯正の失敗例を7つと、失敗しないためのポイントについて解説していきます。
参考にしていただければ、歯列矯正での注意点や失敗しないための対処法についてご理解いただけるはずです。

 

 

渋谷で矯正歯科をお探しなら、渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

 

歯列矯正に失敗することはあるのか?

歯列矯正に失敗することはあり得ます。
また失敗とまでは言えなくとも、思いえがいていたような結果にならないこともあるでしょう。
たとえば担当医の技術力や経験値が低かったり、通院の頻度が適切でなかったりすることが原因となります。
もちろん技術力の高い医師を選び、適切な治療を受けられれば失敗の確率はかなり低くなります。
しかし失敗することもあり得るのは事実です。

関連記事:矯正歯科で遭遇しやすいトラブルと予防のため相談時に確認したいこと

歯列矯正の失敗例

それでは歯列矯正の失敗にはどのようなケースがあるのでしょうか。
失敗例を7つご紹介しますので、治療を始める前にどのような失敗が考えられるのか知っておいてください。

失敗例1:治療に時間がかかりすぎた

まずは最初の計画よりも、治療に時間がかかりすぎたケースです。
歯列矯正治療の失敗例の中では、比較的よく見られます。
原因はさまざまですが、想定していたとおりに歯が動かなかったことが大元の理由です。
歯が想定どおりに動かないことは、次のようなことが原因だと考えられます。

 

【原因】

  • ・最初に歯を削りすぎて歯をより大きく動かさなければならなくなった
  • ・シミュレーションが不足していた
  • ・マウスピース型装置の装着時間が守られていなかった

 

歯を削りすぎてしまったり、シミュレーションが不足していたりするのは医師の技術力が不足していたための失敗です。
ただしマウスピース矯正の場合、患者様ご自身でマウスピースを脱着しなければなりません。
そこで装置の装着時間が守られていないと、歯の移動距離が短くなり治療期間が長引いてしまいます。
以上のようにさまざまな理由で歯が想定どおりに動かず、治療に時間がかかりすぎるケースが見られます。

失敗例2:治療の費用が高くついた

続いての歯列矯正における失敗例は、治療の費用が高くなってしまったことです。
治療費が高くなる理由は、治療期間の長さと関係があります。
「歯列矯正治療一式で◯円」と提示される総額制のクリニックなら問題ありません。
しかし通院ごとに治療費が発生する方式のクリニックでは、治療期間が長くなるとともに治療費も高くなっていきます。

またカウンセリングに行って治療を勧められ、満足にヒアリングをしてもらえずに高額だと思いながらも断りきれずに契約してしまったとの失敗例も。
歯列矯正の治療費は安くないものです。
最初の検査やシミュレーションが丁寧に行われているか確認し、納得がいく場合にのみ契約をしましょう。

関連記事:歯列矯正にかかる期間の目安・治療期間と短くするためのポイント

失敗例3:イメージしていた歯並びにならなかった

「歯列矯正治療が終わったけれどイメージと違う」との失敗も少なくありません。
患者様ご自身で納得がいっていないのに、治療完了と告げられるケースです。
たとえば次のような失敗例があります。


【一例】

  • ・歯がまだデコボコしているのに治療完了と言われた
  • ・治療を始めたら前歯が前に出てきてしまった
  • ・以前よりかみ合わせが悪くなってしまってうまく噛めない
  • ・歯並びが変わって口が閉じられなくなった


歯並びが治らないままならまだしも、前歯が出てしまった、かみ合わせが悪くなったなどの悪化が見られれば大きな問題です。
しかし実際に、治療を受けたもののイメージしていた歯並びにならなかった失敗例は存在します。

失敗例4:顎関節症になった

歯列矯正治療の失敗例として、顎関節症になったという方もいらっしゃいます。
顎関節症とは上顎と下顎を連結するこめかみの下のところで、口の開閉とともに痛みや音が生じるようになる疾患です。

顎関節症はかみ合わせが不安定になり、発症することがあります。
肩こりや頭痛、不眠、顎の痛みなどの症状が併発されることもあり、日常での煩わしさが感じられるようになるはずです。

歯列矯正治療にともなう抜歯で、一時的に顎関節症になる場合もあります。
しかしいずれにしても、治療によって顎に違和感をいだいたら、すぐに担当医に相談するようにしてください。

失敗例5:治療後に後戻りした

歯列矯正治療後に歯並びが戻ってしまう失敗例も少なくありません。
歯並びが戻ることを「後戻り」と言います。
後戻りが起きる理由は、歯列矯正治療完了後の「保定」が原因だと考えられます。

治療が終わった後、1~3年間ほど「保定装置」を装着する期間があります。
保定装置とは矯正した歯並びを安定させるためのものです。
中でもマウスピース型のものは患者様ご自身で取り外しができます。
しかしマウスピース型のものを選んだ場合、治療が終わると、保定装置の装着をしなくなってしまう方がいます。
治療が終わった安心感によるものでしょうが、保定がうまく行われないと後戻りが発生してしまうため注意してください。

失敗例6:歯根が露出した

次にご紹介する歯列矯正の失敗例は、歯根が露出してしまったケースです。
歯根が露出するのは、抜歯をせずに歯列矯正を行った場合によく見られます。

患者様にとって抜歯は、できるだけ避けたいことでしょう。
そのため抜歯をせずに歯が動くためのスペースを確保することがあります。
しかしその際に、顎にとって耐えられないほどの歯の移動が行われると歯根が露出する結果になるのです。
以上のように歯列矯正を受ける場合は、歯根が露出して審美的に問題になることもあります。

失敗例7:重度の歯根吸収を引き起こした

歯列矯正の失敗例としても重大なものの中に、重度の歯根吸収を引き起こした事例もあります。
歯根吸収とは、歯の根元にある部分が吸収されて短くなることです。
歯は日々代謝しており、わずかな歯根吸収は自然に起こることで特に問題ありません。
歯列矯正では歯の代謝能力を利用し、歯の位置を少しずつ動かしています。

しかし歯根吸収が重度になると、歯茎が下がったり歯根が露出してしまったりして問題となります。
重度の歯根吸収は、無理に歯を動かそうとした結果として起きることが多いようです。
歯を動かす距離が長いほど、歯根に大きな負担がかかるためです。
そのため無理な治療計画を立てた場合、重度の歯根吸収が起こる可能性があります。

歯列矯正に失敗する主な原因

歯列矯正の失敗例を7つご紹介しました。
それでは失敗が起きる主な原因とはどのようなものでしょうか。

原因1:虫歯や歯周病

まずは歯列矯正期間中に、虫歯や歯周病になることです。
虫歯や歯周病が見つかった場合、歯列矯正治療は一時中断となります。
虫歯や歯周病の治療を優先しなければならないためです。
しかし中断している際に、後戻りが起こることも少なくありません。
結果的に治療期間が長引くことになるため、矯正治療中はより一層虫歯や歯周病に気をつけるようにしてください。

関連記事:インビザライン矯正中に虫歯にかかる原因と予防に役立つ7つの方法

原因2:検査やシミュレーションの不備

検査やシミュレーションの不備も歯列矯正に失敗する原因のひとつです。
治療計画や歯の動きは、最初に行う検査およびシミュレーションによって決定されます。
しかし検査が不十分であったり、シミュレーションに不備があったりすると、現実的ではない治療計画が立てられてしまいがちです。
その結果、無理な歯の移動が行われたり、歯根吸収が起きたりすることがあります。
検査やシミュレーションは治療の根底にあるものですので、しっかりと不備なく行われなければなりません。

原因3:保定のミス

後戻りが起きる大きな原因となるのが、保定のミスです。
患者様ご自身の判断で保定装置の装着をやめてしまうと、動かした歯が元の位置に戻ってしまいます。
保定のミスがあれば、歯列矯正治療でどれだけきれいに歯並びが揃ったとしても、その美しさは長続きしないでしょう。

関連記事:矯正治療後の保定とは

原因4:矯正装置の装着時間が短い

歯列矯正の失敗の原因として多いのが、矯正装置の装着時間が短かったことです。
歯列矯正装置には「固定式」と「着脱式」の2種類があります。
固定式とはワイヤー矯正や裏側矯正のことで、患者様ご自身では取り外せません。

しかし着脱式は患者様ご自身で取り外しができるため、外したまま装着を忘れてしまうことがあります。
いわゆる「マウスピース矯正」が着脱式に該当します。
そのためマウスピース矯正を受ける際には、1日の中での装置装着時間をしっかり守らなければ治療効果が現れにくくなってしまいます。
治療期間が長くなったり、治療費がさらに高額になったりしてしまうことがあるため、装着時間はしっかりと守ってください。

歯科矯正の失敗を防ぐために押さえておくこと

歯列矯正での失敗を防ぐには、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:矯正治療の知識を身につける

まずは患者様ご自身が、矯正治療に関する知識を身につけてください。
矯正治療は医師の治療とともに、患者様のケアもあって成り立つものです。
たとえばマウスピース型矯正装置の装着時間を守ること、虫歯や歯周病により一層気をつけることなど…。

患者様ご自身で行っていただくケアによって、治療はよりスムーズに進みます。
もちろん治療費の相場について知っておくことなどの知識も必要でしょう。
矯正治療の知識を身に着けて、注意するべきポイントを把握できれば、歯列矯正で失敗する可能性は低くなるはずです。

ポイント2:口内の状態に合った矯正方法を選ぶ

次に、口内の状態に合った矯正方法を選ぶこともポイントのひとつです。
歯列矯正の治療方法は、お一人お一人の口内の状況によって変わります。
そのため適した治療方法は患者様によって違い、適切な治療方法を選べれば歯列矯正での失敗は少なくなるはずです。
また治療方法ごとの特徴・メリット・デメリットを把握しておくことも欠かせません。
ご自身の口内の状況を把握して、どの治療方法が適切であるかを知り、ご自身にあった治療法を選んでください。

ポイント3:技術と実績のある矯正歯科医院を選ぶ

歯列矯正で失敗する確率を低くするには、技術と実績のある矯正歯科医院を選ぶことも重要です。
歯列矯正治療には、特殊な技術が必要となります。
治療実績が豊富であったり、知識・技術が豊富な医師が在籍していたりするクリニックの方が確かな治療を受けられるでしょう。
実績や医師の実力は、クリニックの公式ホームページなどに記載されています。
無料カウンセリングに行って、直接訊いてみるのも良い方法です。
技術と実績のある矯正歯科専門医院であれば、安心して治療をおまかせできるでしょう。

関連記事:矯正歯科における認定医の概要と在籍している歯科医院が選ぶメリット

矯正に失敗した場合にやること

もし歯列矯正で失敗してしまった場合、選ぶべきは「セカンドオピニオン」か「再治療」です。

方法1:セカンドオピニオン

セカンドオピニオンは通院中・治療中に受けられます。
歯列矯正治療の担当医とは別の医師に相談をして、治療方針などについて意見を求めるのがセカンドオピニオンです。
担当医とは違う見解からアドバイスをしてもらえるため、新たな視点が見つかるかもしれません。
もし治療中に疑問や不安が湧いてきた場合は、セカンドオピニオンを受けてみてください。

関連記事:矯正歯科におけるセカンドオピニオンの受け方と活用したいタイミング

方法2:再治療

もし歯列矯正で失敗したと感じたら、治療を受けたクリニックに再治療の相談をしてください。
歯並びに何らかの問題が起きた場合、改善できるよう再治療が受けられることがあります。

ただし再治療には、別途費用が必要なことも珍しくありません。
すでに受けた治療分の費用が返金されないこともあるでしょう。
治療費やその後の治療期間については、あらためてクリニックと相談するようにしてください。

歯列矯正治療に失敗しないためには前例や対処法を学んで

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、歯列矯正の失敗についてご理解いただけたと思います。
歯列矯正治療ではまれに、失敗することもあります。
医師の技術力不足や保定装置の装着ミス、その他さまざまな理由にて失敗が起こり得ます。
そのためできる限り失敗を避けるために、知識を身に着けたり、クリニック選びを慎重に行ったりすることが重要です。

渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」では年間1,000人以上に歯列矯正治療を行っています。
多くの経験を積んだ医師が対応いたしますので、歯列矯正治療での失敗を避けたい方はぜひご相談ください。

関連記事:歯列矯正の検査って何をしているの?目的について解説

予約・ご相談はこちら

 

この記事を監修した人

監修者の写真

医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

【略歴】

関連記事