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マウスピース矯正とは?治療の特徴・メリット・流れをチェック

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正(ワイヤーブラケット矯正)と並んで利用されている矯正治療方法です。ワイヤーブラケットは歯を強く締め付けて固定、移動させますが、マウスピース矯正は小さなお子さんでも始められる手軽さと、痛みが少ない点がメリットです。

この記事では、マウスピース矯正の概要とメリット・デメリット、他の矯正治療方法との違いについて紹介します。マウスピース矯正の流れについても取り上げていますので、ワイヤー矯正と迷っている方や治療の特長を知りたい方は、ぜひチェックしてください。

 

 

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正は、前歯と呼ばれる上下12本の歯を中心に矯正する方法です。軽度な不正咬合であれば歯列全体にも適用可能ですが、装置の装着のみで歯を動かせるかどうかは診断によって決定されます。 前歯とは、左右の犬歯から犬歯までの間の6本(犬歯も含む)の6本のことであり、アゴや歯並びの状態が比較的軽度である場合にマウスピース治療が適用されます。
歯列全体やお口の中全体の矯正ではないため、前歯のみに適用されるマウスピース矯正は「部分矯正」とも呼ばれています。「インビザライン」と呼ばれている治療もマウスピース矯正の一種です。

マウスピース矯正は一般的に、軽度の歯並び矯正や歯ぎしり・食いしばりの解消などに用いられる方法です。外科手術が必要なケースや、部分矯正だけでは対応できないケースについては、外科治療や抜歯などの治療を施した後にワイヤー矯正を行います。

関連記事:前歯だけに限定される矯正治療「部分矯正」の内容・メリットを解説

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正は部分的な矯正方法ではありますが、多くのメリットが期待できます。装置が目立たないことや口腔内のトラブルが少ないといったメリットについてみていきましょう。

メリット①矯正装置が透明で目立たない

ワイヤー矯正は一般的に金属製の装置が使われます。金属は光に当たると輝いて見えるため、外から矯正治療装置が視認できてしまい、表情や顔全体の印象も普段とは違って見えます。
一方、マウスピース矯正では金属特有の光沢感がない透明で柔軟な矯正装置を使用します。装置自身が透明なため近くで見ても目立ちにくいメリットがあります。はじめに歯の型取りを行ってから、動かしたい部分に直接はめ込んで移動させていきます。

関連記事:透明な矯正ってできる?目立たない矯正について徹底解説

メリット②取り外しが可能である

マウスピース矯正装置は患者さん自身の手で取り外しと装着が行えるため、途中で外れてしまったり締め直しをしたりする手間がかかりません。
矯正治療のスケジュールにしたがって、マウスピースを取り替えながら少しずつ歯を移動させていきますが、飲食や歯磨きの時には外すことができます。1日の連続装着時間が決められてはいますが、ワイヤー矯正のように取り外しができず固定され続ける不快感がありません。

メリット③痛みや違和感をほとんど感じない

痛みや違和感を感じにくいことも、マウスピース矯正のメリットの一つです。ワイヤー矯正では強い力で歯を移動させていくため、取り外しができないようにきつく締め付けて固定します。
小さいお子さんは締め付けによる痛みが強いと鎮痛剤だけでは解消できず、精神面や学校生活にも影響が出てしまうリスクがありますが、マウスピースなら「いつでも外せる」という安心感があり、いざというときには装置を自力で外せます。

メリット④口内トラブルが少ない

マウスピース矯正は固定の装置を使用しないため、歯垢がつきにくく自宅でもオーラルケアができます。 汚れを残したままワイヤーブラケットを装着していると、そこから虫歯が発生し広がってしまう可能性がありますが、マウスピース矯正は装置を自分で外してケアができるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えられるのです。
万が一不安な場合は途中でマウスピースを外してクリニックでクリーニングなどの治療を受けることもできるので、口内のトラブルを最小限に抑えられます。

メリット⑤歯磨きの際に制限がない

マウスピースは歯磨きの際にすべて取り外せるので、部分的ではなくお口の中すべてを患者さん自身でケアできます。
ワイヤー矯正では、器具が付いている部分を無理に引っ張ったり、歯ブラシを届かせようとしたりすると、装置が壊れたり外れたりするおそれがあります。外れてしまった装置は患者さん自身で取り付けることができないため、後日クリニックで締め直しをしなければなりません。

その点、マウスピース矯正は装置のトラブルを気にせずに歯磨きをしっかりと行え、フロスや歯間ブラシのようなアイテムも併用できるので、制限なくオーラルケアが続けられます。

メリット⑥矯正費用を抑えられる

矯正にかかる費用は、ワイヤーをお口の中全体に使う場合、約60万円以上が相場です。外科矯正と呼ばれる手術治療を伴う場合はさらに高額な費用がかかる可能性もあります。
マウスピース矯正は軽度な歯列矯正または部分的な矯正治療なので、費用をかけずに歯並びがケアできます。手術や全顎矯正などが必要な方はマウスピースの適用にはなりませんが、精密検査の結果マウスピース矯正が可能と判断された場合は、費用を抑えながら美しい歯並びを目指せます。

メリット⑦通院の回数が少ない

ワイヤー矯正は、ワイヤーの締め直しやメンテナンス、歯の状態チェックなどで3週間に1回程度の通院が必要です。万が一トラブルでワイヤーが外れてしまったときは締め直しをしなければならないため、さらに通院回数が多くなってしまいます。
一方、マウスピース矯正は部分的な治療または軽度な歯列矯正がメインのため、全顎矯正ほどの矯正期間はかかりません。通院回数も月に1回程度、トータルの通院期間は多くの方が2年以内で終了します。

メリット⑧同時にホワイトニング治療もできる

装置を取り外している間は他の治療が受けられるため、マウスピース矯正と並行して、ホワイトニング治療も受診できます。 歯の白さを維持したい、あるいは色素沈着を起こした歯をきれいな白色に戻したいといった場合には、一時的にマウスピースを外してホワイトニング治療を受診すると良いでしょう。
ただし、自宅で行うホームホワイトニングは、クリニックや店舗で行うオフィスホワイトニングよりも時間がかかります。マウスピースの装着時間を押さないためにも、スピーディに治療が完了できるオフィスホワイトニングがおすすめです。

メリット⑨日常生活に制限がない

ワイヤーブラケット矯正では、装置の装着によるものの噛みづらさ、発話のしにくさといった日常生活への制限があります。そうしたお口の中のコントロールのしづらさが少なく、手軽にケアができることもマウスピース矯正のメリットといえるでしょう。
インビザラインのようなマウスピース治療は症例数が豊富で、お子さんから成人まで治療が可能です。非抜歯治療が可能になる方法としても注目されており、歯を失うことによる不自由さがなく矯正治療が受けられる可能性があります。

メリット⑩金属アレルギーに対応している

金属製の装置を使った矯正治療では、お口の中に金属成分が溶けだしてアレルギーを起こすおそれがあります。 マウスピース装置はアレルギーの心配がほとんどなく、脱着も自分自身で行えるので、トラブルが出たときはすぐに取り外せます。装置を外すためにクリニックに行く必要がないので

メリット⑪楽器演奏に支障がない

トランペットのように力をかけながら息を吹き出す楽器は、演奏中に矯正器具が何らかの力でずれてしまわないか不安になるかもしれません。マウスピースは万が一の際に取り外しができますので、お口の中に力や圧力がかかる場合でも安心感があります。
ワイヤー矯正は口の中が狭まり、本来の動きが制限されるために、パフォーマンスが発揮しづらいという悩みもみられます。その点、マウスピースは外して置いておけるため、パフォーマンスへの影響はほとんど心配ありません。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正にはメリットばかりではなく、装着忘れを防いだりマウスピース自身をケアしたりと、手間がかかる一面もあります。患者さんによってはデメリットになりがちな6つのポイントについてみていきましょう。

デメリット①毎日長時間の正しい装着が必要である

マウスピースは取り外ししやすいぶん、1日の装着時間を守る必要があります。最低でも20時間以上の装着時間が必要であり、歯磨きや飲食の時間を含めると、以外に外していられる時間は長くありません。

破損やその他のトラブルを防ぐために、マウスピースを付けたまま飲食をすることはできません。食事の際には必ず取り外しを行うことになります。 また、ホワイトニング治療などで2時間以上装置を外していると、それ以外の飲食にかけられる時間が短くなるため、矯正以外の施術を併用する方は注意が必要です。

デメリット②治療が難しい症例がある

マウスピース矯正は部分矯正のため、全顎矯正のようにお口の中全体をみながら歯を動かしていく症例には適していません。
そのため、精密検査などでマウスピースの装着が判断され、治療が難しいと診断される可能性もあります。患者さんによっては外科的治療や抜歯など、矯正以外の治療を実施しなければならない場合もあります。

デメリット③食事の際はマウスピースを外す必要がある

食事の際には、マウスピースを取り外さなければなりません。歯にものが詰まっても自力で除去できるため衛生的ですが、患者さんによってはこの脱着が手間に感じられるかもしれません。

関連記事:歯列矯正中の食事はどうしたらいい?悩みを矯正歯科医が解決いたします!

デメリット④紛失リスクがある

マウスピースを外したまま洗面台などに置いておくと、透明なためどこに置いたかがわからなくなってしまい、結果的に紛失のリスクが伴います。装置は新しいものに取り替えるまで、専用のケースなどに入れて管理するようにしましょう。

デメリット⑤マウスピースの手入れが必要である

マウスピースを使っていくと、装置自身にも雑菌やお口の中の細菌が付着してきます。そのまま着脱を繰り返すとお口の中がどんどん汚れてしまいますので、マウスピース自身も歯ブラシと同じように殺菌・除菌を行ってください。

デメリット⑥定期的にマウスピースの交換が必要である

歯の移動を促すためには、マウスピースを定期的に交換しなければなりません。装置ができあがったら、できる限り早いタイミングで来院し、交換を行いましょう。

他の矯正方法との違い

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正やインプラント矯正とはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの治療法との違いをみていきましょう。

ワイヤー矯正(表側)との違い

「表側矯正」とも呼ばれるワイヤー矯正では、装置を歯の表面に取り付けるため、矯正中であることがわかってしまいます。裏側矯正に比べて費用は安価ですが、強い力でワイヤーを締め付けるため、痛みもあります。

ワイヤー矯正(裏側)との違い

「裏側矯正」「舌側矯正」と呼ばれているワイヤー矯正は、歯の裏側に装置を通して固定する方法です。ほとんど装置が目立たないため、人目に触れたくない方に適しています。ただしワイヤーで強く締め付ける点においては表側矯正と同じであり、患者さんご自身での取り外しは行えません。

インプラント矯正との違い

インプラント矯正は、すでに歯を失った場所インプラントと呼ばれる人工歯を埋め込んでいき、歯列をつくる方法です。ご自身の歯を動かすものではなく、人工的に並べていく方法のため、マウスピースやワイヤーを使った矯正とはまったく異なる治療法になります。

関連記事:インプラント矯正とは?通常の矯正との違いについて解説

マウスピース矯正の費用の目安

マウスピース矯正治療は、インビザラインやクリアラインと呼ばれるいくつかの種類(治療法)があります。ここからは2つの治療にかかる費用の目安をみていきましょう。

インビザラインの場合

インビザラインの費用は、約30万円から70万円前後が相場の目安になります。外科的治療と組み合わせたり再治療が行われたりするケースではさらに高額になりますが、費用相場や治療方針はクリニックごとに異なるため、インビザライン以外の治療を選ぶことも可能です。

部分矯正のように本数が少ないほど費用は安くなりますが、全顎矯正でもゴールとする仕上がりの目安をコンピューターで予測しますので、大きく治療内容が変更になる心配は少ないといえるでしょう。

医療法人社団ルーブル歯科・矯正歯科では330,000〜770,000円(税込)の価格帯で提供されています。 ※調整料は1回6,600円(税込)

関連記事:インビザラインにかかる費用は?内訳やコストの抑え方も解説

クリアラインの場合

クリアラインの費用は、軽度の場合10万円以下の価格帯で始めることができます。低価格を目指しているマウスピース矯正のため、同じマウスピースを使った他の治療よりも安価に始められます。
ただし患者さんの症状の程度によって費用が異なるため、中程度以上の方は約30万円〜が目安になります。

医療法人社団ルーブル歯科・矯正歯科では、片顎の初回治療費が16,500円(税込)円、2回目以降は27,500円(税込)で提供されています。 ※リテーナー1回16,500円(税込)/調整料は無料

マウスピース矯正治療にかかる期間

マウスピース矯正治療にかかる期間は、治療する歯の本数や症状の程度によって異なります。簡単な治療であれば数ヶ月〜1年以内、軽症でも本数が多い場合は1年以上治療が継続します。
保定期間は、治療にかかった期間と同程度の期間がかかります。1年半の矯正期間だった方は保定期間も1年半となり、合計で3年の治療が必要になります。

マウスピース矯正治療の流れ

マウスピース矯正治療は、カウンセリング・検査から治療計画の策定といくつかのステップを経て治療に至ります。矯正治療終了後も保定期間と呼ばれる固定のための治療が必要になります。ここからは、詳しい流れを確認していきましょう。

ステップ①無料カウンセリングの実施

ほとんどのクリニックでは、無料で相談やカウンセリングを行っています。歯のクリーニングや定期検診に利用しているかかりつけのクリニックがあれば、そこでカウンセリングだけでも受けることができます。
カウンセリングでは矯正治療を受けたい旨を伝えて、矯正治療に関する疑問点や不安、その他の相談を行いましょう。患者さんによっては矯正治療の前に優先すべき症状や治療を提案される場合があります。また、矯正治療にかかる費用もカウンセリングの段階で相談しておくと安心です。

ステップ②精密検査(撮影・歯型採取)

矯正治療が可能かどうかは、骨や関節なども含めた精密な画像診断(撮影)・医師によるお口の中のチェック・歯型の採取・写真撮影によって判断されます。外から見ただけではわからないお口の状態を総合的に判断しますので、精密検査は必ず受けなければなりません。 精密検査は矯正治療の妨げとなる問題がないかどうか、虫歯や歯周病の確認、患者さんごとの治療計画を策定するためにも役立てられます。
一例として、インプラントのようにしっかりと骨に埋め込まれた器具がある場合は、その部分を動かせないため矯正治療が不可(または部分矯正)になる可能性があります。

ステップ③治療計画の立案・決定

精密検査で得られた情報を基にして、治療が可能と判断された場合は具体的な治療計画を立てていきます。 患者さんご自身と相談して計画を決めていきますが、精密検査の時点で得られた情報をベースに治療を行いますので、患者さんが内容をしっかりと把握しておく必要があります。万が一医師からの説明が少ない場合は、不明点も含めて詳しく尋ねておきましょう。

ステップ④治療開始・装置の装着

治療計画ができあがった後は、いよいよ治療がスタートします。事前に取っておいた歯型の情報からマウスピース装置を製作し、装置ができあがったタイミングで装着に入ります。マウスピースは歯に一定の力がかかるように調整されているので、ワイヤーできつく締め付けるような痛みはありません。
ワイヤーブラケット矯正と同じく、歯列をスムーズに整えるために親知らずなどの不要な歯を抜歯する可能性もあります。抜歯はマウスピースを装着する前に行われます。

ステップ⑤装置の調整

マウスピースを使った治療では、歯の移動状況をみながらマウスピースを取り替えていき、目的の場所に歯を移動させます。途中で虫歯や歯周病が発生した場合はそちらの治療が優先され、装置を取り外して行います。
通院回数は4〜6週に1回のペースです。通院が何らかの事情で難しい場合は、電話やオンラインでのカウンセリングを行い、治療を継続することも可能です(対応の可否はクリニックへお問い合わせください)。

ステップ⑥治療終了・保定期間

4〜6週に1回のペースでマウスピースを取り替えていき、1年以上が経過した段階で歯がある程度揃ってきます。歯の見た目が揃ってくると、表情にも変化が出てくるでしょう。
矯正治療が終了したところで、保定期間と呼ばれる段階へ移ります。保定とは「後戻り」と呼ばれる歯列や歯が元の位置に戻ってしまうトラブルを防ぐために、保定用のマウスピースを装着して位置を固定する方法です。

関連記事:矯正治療後に使うリテーナーとは?保定期間について解説

ステップ⑦メンテナンス

保定期間も含めて治療がすべて終了したあとは、後戻りを起こしていないか確認をしながら、色素沈着や歯石といった汚れを取り除くメンテナンスを実施します。お口の中のトラブルも同時にチェックできますので、間隔としては月に1回または2ヶ月に1回のペースで検診を続けていきましょう。

マウスピース矯正は信頼できるクリニックに相談

今回は、マウスピース矯正治療の特徴や他の治療との違い、メリット・デメリットについて紹介しました。
最新のシステムを使う「インビザライン」をはじめ、マウスピース矯正もより多くの患者さんが利用できるように、改良や改善を重ねています。 前歯のみにしか適用できなかった部分矯正ですが、軽症であれば全顎矯正にも対応できる可能性がありますので、

前歯のみにしか適用できなかった部分矯正ですが、軽症であれば全顎矯正にも対応できる可能性がありますので、ぜひ渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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