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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

目次

注目の矯正治療「インビザライン」とは?メリットや注意点も紹介

「インビザライン(Invisalign®)」は、精度の高さと手軽さ、オーダーメイドの治療が可能であることから注目されている矯正治療方法です。

世界的にも知られており多くのクリニックが導入していますが、どのような特徴があるのでしょうか。

この記事では、インビザラインの特徴やメリット、矯正治療を受ける際の注意点と他のマウスピース矯正との違いについて紹介します。インビザラインによる矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

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インビザラインとは?

インビザラインは世界中で行われている治療で、マウスピース型の矯正器具「アライナー」を口の中に装着する方法です。インビザラインを知るうえで押さえておきたい3つのポイントを詳しくみていきましょう。

世界中で使われる矯正治療の方法である

インビザラインは、世界的にシェアの大きなマウスピース型の矯正治療です。1997年にアメリカで初めて開発・提供が始まり、2年後の治療開始後ヨーロッパ・アジアなどへもシェアを拡大していきました。

コンピュータ科学の専門家によって考案された治療であり、歯列矯正器具をコンピュータで設計するという画期的な方法が適用されています。

アメリカをはじめとする世界各国、約1,500万人の患者さんの治療データに基づき、マウスピースの素材や歯を移動させる仕組みへの改良が現在も続けられています。

現在はコンピュータ・テクノロジーの技術をさらに応用し、「インビザライン スマイルビュー」と呼ばれる公式アプリを使って笑顔のシミュレーションをしながら、治療前のイメージが行えます。

関連記事:歯列矯正の種類は?特徴と比較ポイントを紹介

オーダーメイドのマウスピースを使う

インビザラインはさまざまな症例に対応しており、過蓋咬合・受け口・交叉咬合・すきっ歯・開咬・乱杭歯(叢生)に対応可能です。

患者さんごとに歯の大きさや並び方は異なるため、コンピュータによって精密にお口の中のモデルを表現します。移動したい方向に合わせて、動きをシミュレートしながら0.1mm単位で形を変化させたアライナーを複数枚作製。

いずれもオーダーメイドのマウスピースで、アライナー1枚につき0.25mm歯が移動できるように設計されています。

透明なマウスピースを歯(奥歯を除く)に装着し、見えない前歯矯正が可能な「インビザラインGo」や6歳から始められる「インビザライン・ファースト」など、患者さんに応じて複数のタイプから選択することができます。

矯正結果をシミュレートできる

矯正結果が事前にシミュレートできるのも、インビザラインのメリットの一つです。コンピュータによる解析を駆使して歯の動きをイメージしていく治療のため、ワイヤー矯正のように力をかけながら動かしたい方向を決めていくものではありません。

事前に患者さんとカウンセリングを行い、歯の状態を精密検査によって確認しながら、インビザラインシステムでマウスピースを作っていきます。

治療を続けていくと、お口の状態によってはアライナーの作り直しが必要になる場合もありますが、再設計したアライナーによって正しい方向に歯を動かしていくことが可能です。

ゴール地点をしっかりとイメージしながら治療が進められる点が、インビザラインならではのメリットといえるでしょう。

インビザラインによる矯正治療のメリット

インビザライン矯正治療には、ワイヤー矯正にはないさまざまなメリットが期待できます。考えられる6つのメリットについてチェックしていきましょう。

メリット①目立ちにくい

インビザラインに使用されるアライナーは透明で、歯に装着してもほとんど目立たず、器具だけが際立つ心配がありません。

ワイヤーブラケットは歯の表面に取り付けていることがよくわかり、外から見たときに光沢感も気になるところですが、アライナーには金属特有の輝きがなく、歯の表面に取り付けて前面矯正(表側矯正)が行えます。金属を使っていないため、アレルギーがある方にも適しています。

ワイヤー矯正にも透明な器具がありますが、歯を強く締め付けるため痛みが苦手な方はマウスピースタイプのインビザライン治療がおすすめです。

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メリット②自分で取り外しができる

マウスピースは柔らかい素材でできており、患者さんご自身でも気軽に取り外せます。就寝中や日中に連続装着時間が確保できれば、食事や歯磨き・うがいの際に取り外して、お口を清潔に保てます。

ワイヤーブラケットは取り外しが不可能であり、万が一外してしまった場合は再度取り付け・締め直しが必要です。

クリニックによっては診察料がかかってしまう場合もありますが、取り付けと取り外しが自由にできるインビザラインには再治療の心配がありません。

小さいお子さんなどはワイヤー特有の締めつけ感が苦手で、なかなか矯正治療に踏み出せない方もいらっしゃいますが、自分で管理できるマウスピースなら不安なく矯正治療がスタートできるでしょう。

メリット➂痛みが少ない

矯正治療にはワイヤーによる締めつけ感のほかに、痛みが強いイメージも定着しています。 「痛みが怖くて治療に踏み出せない」という方でも、マウスピース型の治療であればきつく締め付けるような痛みを感じにくいため、初めての矯正治療で不安が強いケースにおすすめです。 歯磨き中や食事中に取り外しているあいだは痛みを感じる心配がなく、慣れてくると装着時間を長くとることも可能です。痛みが気になる方は事前に医師と相談し、インビザライン治療を希望してみてはいかがでしょうか。

メリット④金属アレルギーを引き起こさない

インビザラインに使われるアライナーはポリウレタン製で、金属成分は一切含まれていません。金属アレルギーが心配な方でも安心して装着できます。

従来の矯正治療で使われているワイヤーブラケットはブラケット部分が金属でできているため、歯に装着していると口の中で金属成分が溶け出し、アレルギーを引き起こす可能性があります。ワイヤー矯正を希望する方はアレルギー症状に注意が必要です。

ポリウレタンは劣化に注意が必要ですが、矯正治療では劣化する前に新しいアライナーに変更して歯を動かしていきます。劣化が始まる前に新しいものへ取り替えられるので、お口の中を清潔・衛生的に保ちながら矯正が行えます。

メリット⑤通院頻度が少ない

事前にゴールをシミュレートしてマウスピースを作製し、取り替えていくインビザライン治療は、ワイヤー矯正のように歯の動き方を細かくチェックする必要がありません。

目安として、ワイヤー矯正は3〜4週間に1回程度の通院が必要になります。治療の途中で虫歯や歯周病が発生してしまうと、さらに通院頻度が多くなります。

一方、インビザライン治療は取り外しがきくため虫歯や歯周病になりにくく、お口の中のチェックも1ヶ月程度に1回の間隔で良いため、通院頻度を少なくできます。

メリット⑥ホワイトニングが同時にできる

ワイヤー矯正は取り外しができないため、ホワイトニングのように矯正治療以外の治療を受けることはできません。

インビザラインはマウスピースを装着する方法のため、決められた連続装着時間を守れば、それ以外の時間をホワイトニングに充てることができます。

ホームホワイトニングは薬剤を浸透させるために一定の時間が必要ですが、クリニックで行うホワイトニングは30分から1時間半程度で終了します。短時間で歯を白くする施術が可能なため、矯正治療を行っていても白く美しい歯が手に入れられるでしょう。

関連記事:歯列矯正中にホワイトニングはできる?矯正歯科認定医が詳しく解説

インビザラインによる矯正治療を受ける際の注意点

インビザライン治療を受ける際、「自己管理」「適用不可の場合」「抜歯などの必要性」という3つのポイントに注意が必要です。それぞれについて、治療前の注意点としてチェックしていきましょう。

注意点①装着時間などの自己管理が必要

インビザラインは1日あたり20時間ほどの連続装着時間が必要です。ワイヤー矯正のような強い縛りがないため、まとまった時間が必要になります。

20時間以上装着することを前提に治療計画が決められるため、勝手に20時間を下回らないように注意が必要です。

人前に出る機会がある、写真を撮られるなどしてインビザラインを外さなければならない場合は装着を中断する必要がありますが、外さなくても良い状況であれば無理に装着を止めず、できるだけ長い時間を装着に充てたいところです。

自己管理のポイントとして、食事と歯磨きをセットにする方法が挙げられます。食事をしてから歯磨きまで時間を空けてしまうと、マウスピースを装着していない時間が長くなり、装着を忘れる可能性があります。

食事の後はすぐに歯磨きを行い、マウスピースを装着してすぐ眠れるように準備しましょう。

注意点②症例によっては適用できない

インビザラインは、以下のような症例では対応不可となります。

【インビザラインが対応できない症例】

  • ・重度の不正咬合
  • ・人工歯つきの歯列
  • ・骨格などのトラブル

インビザラインは基本的に出っ歯(上顎前突)には対応できない治療法です。出っ歯、叢生、受け口といった不正咬合が重度の方は、外科的治療も組み合わせる必要があるためインビザラインだけでは十分な治療が行えない可能性があります。

すでに歯を失っておりインプラントのように埋め込むタイプの人工歯を使用している方も、矯正治療には不向きとされています。

骨格にトラブルがある方も重度の不正咬合と同じく、まずはクリニックで相談のうえ外科的治療を先に考えるなど、段階的に治療を進めることが大切です。

関連記事:インビザライン矯正とは?治療ができない人の特徴や代わりの治療法

注意点➂抜歯や歯を削る可能性もある

インビザラインはワイヤー矯正と同じ矯正治療のため、不要な歯は抜歯または削る可能性があります。

やむを得ず歯を取り除く必要があるケースについては、事前に医師とよく話し合いを行い、納得したうえで治療を受けるようにしてください。

インビザラインと他のマウスピース矯正の違いを比較

インビザラインと同じマウスピース型の矯正治療には、「アクアシステム」「アソアライナー」「クリアコレクト」などが挙げられます。それぞれの特徴と費用の目安をみていきましょう。

 

治療名

インビザライン

アクアシステム

アソアライナー

クリアコレクト

特徴

部分矯正から全顎矯正までに対応

部分矯正に対応

部分矯正から全顎矯正までに対応

前歯のみの部分矯正に対応

治療費

(標準的な治療)

70万円〜

50万円〜

60万円〜

55万円〜

治療期間

1年〜3年

数ヶ月〜2年

数ヶ月〜2年

半年〜2年

プラン数

4

3

4

690,000円〜

治療開始年

1999年

2002年

2010年

2006年

 

上記で紹介した費用の目安は、標準的な矯正治療にかかる費用の目安です。部分矯正や数本のみの矯正治療はさらに費用が安くなります。詳細は治療を希望するかかりつけのクリニックでご相談ください。

関連記事:インビザラインとワイヤー矯正はどっちがおすすめ?違いを徹底解説

インビザライン矯正費用の相場

インビザライン矯正は、ワイヤー矯正と同じく部分矯正にも対応しています。また、通常通りの全顎矯正も行っているため、お口の中の状態に応じて治療が計画されます。費用の相場は以下の通りです。

 

プラン名

エクスプレスパッケージ

(部分矯正)

ライトパッケージ

(軽度歯列矯正)

モデレートパッケージ

(軽度全顎矯正)

コンプリヘンシブパッケージ

(全顎矯正)

カウンセリング料金

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

検査費用

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

治療費

23万円〜

40万円〜

46万円〜

69万円〜

診察料

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

医院ごとに異なる

保定料金

3,000円程度〜

3,000円程度〜

3,000円程度〜

3,000円程度〜

 

インビザラインを使った治療では、4つのパッケージが提供されています(医院によっては3つのみなど、提供されているパッケージが限られている場合もあります)。

カウンセリング料金や検査費用、診察料などは医院ごとに異なるため、無料の場合もあれば、パッケージとして矯正治療費に含まれている場合もあります。保定料金を「メンテナンス費」として、矯正治療費に含めているクリニックもあります。

いずれの場合も、部分矯正がもっとも安く費用を抑えられ、標準的な全体矯正では70万円程度の費用が目安となります。合計の金額は患者さんごとに異なるため、かかりつけのクリニックや矯正治療の専門医にご相談ください。

関連記事:歯列矯正にかかる費用の相場と安く抑えるための4つの方法について

インビザライン矯正治療の期間と流れ

インビザライン矯正治療は、ワイヤー矯正よりも強い力をかけずに歯を移動させることができます。ここからは、治療にかかる期間と治療の流れを詳しくみていきましょう。

インビザライン矯正治療にかかる期間

インビザライン矯正治療にかかる期間は、4つのプランでそれぞれ異なります。部分矯正から全顎矯正まで、それぞれの治療に必要な期間をみていきましょう。

 

プラン名

エクスプレスパッケージ

(部分矯正)

ライトパッケージ

(軽度歯列矯正)

モデレートパッケージ

(軽度全顎矯正)

コンプリヘンシブパッケージ

(全顎矯正)

治療内容

最大7枚のアライナーで部分矯正を行うパッケージ

最大14枚のアライナーを使い、軽度な歯列矯正を行うパッケージ

最大26枚のアライナーで叢生やすきっ歯など中程度までに対応

アライナーの枚数制限なし

5年以内なら繰り返し治療ができる全顎矯正パッケージ

治療期間

約数ヶ月〜

数ヶ月〜半年

数ヶ月〜1年半

1年半〜3年

保定期間

約数ヶ月〜

数ヶ月〜半年

数ヶ月〜1年半

1年半〜3年

 

インビザラインには部分矯正から全顎矯正まで、4つのプランが用意されています。部分矯正は動かす歯の数が少ないため、数ヶ月の短期間で終了します。ライト・モデレートと範囲が広がるにつれて半年以上の期間がかかり、全顎矯正のコンプリヘンシブパッケージは最大で3年程度の治療期間となります。

インビザライン矯正は、クリニックを選んでカウンセリングを申し込むところから始まります。具体的な流れは以下の通りです。

【インビザライン矯正の流れ】

  • ・カウンセリング
  • ・精密検査
  • ・治療計画
  • ・口腔内の掃除
  • ・装着開始
  • ・アタッチメント・IPR
  • ・1ヶ月程度に1回来院
  • ・保定期間

事前にインビザライン治療を希望していることを相談・予約し、クリニックに来院して、カウンセリングを行ってからインビザラインに適しているかを検査します。

精密検査では画像診断やお口の中のトラブルがないかを確認し、それまでの既往症もあわせて確認します。精密検査によってインビザラインが受けられると判断されれば、医師が治療計画を立ててスケジュールの説明を行います。

インビザラインを申し込んだら、いよいよ治療に入ります。画像診断で得られた結果を元にオーダーメイドのアライナーを発注し、アライナーがクリニックに到着するまでにお口の中をきれいにしておきます。

アライナーが到着したあとは、装着に入ります。マウスピースを取り付ける際に、小さな歯科用樹脂であるアタッチメントを取り付けますが、交換の際にもアタッチメント処置が必要になるため、1ヶ月に1回程度の来院のたびに交換を行います。

また、患者さんによっては歯の移動をスムーズに行うために歯を削るIPR処置が行われる場合もあります。 こうして何度かアライナーの交換を繰り返し、治療が終了したあとは保定期間に入ります。矯正期間と同程度の保定が必要になりますが、来院回数は矯正治療よりも少なくなります。

関連記事:インビザライン矯正の後に必要な保定期間の目的・期間の目安と注意点

インビザラインはオーダーメイド治療が可能

今回は、インビザライン治療の特徴やプラン、治療期間などについて紹介しました。患者さんによって治療の内容には違いが出るため、かかりつけ医とよく相談を行いましょう。

インビザラインに加えて、他のマウスピース治療やワイヤー矯正を提供しているクリニックもあります。骨格的な問題がある場合は外科矯正や外科的治療も考慮しながら、治療方針や方法を決定してください。

ぜひ渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

関連記事:インビザラインとは?失敗しないために矯正歯科認定医が徹底解説

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水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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