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インビザラインとワイヤー矯正はどっちがおすすめ?違いを徹底解説

大人になってから歯列矯正を検討する人が増えています。最近ではワイヤー矯正のほかにインビザラインも選択肢になっているため、どちらの矯正方法が良いのか迷っている方も多いでしょう。 治療法によって歯列矯正中の見た目や過ごし方が大きく変わるため、インビザラインとワイヤー矯正のメリット・デメリットをよく把握しておくことが重要です。

この記事では、インビザラインとワイヤー矯正はどっちがおすすめなのか、違いを解説します。これから歯列矯正を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

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インビザライン矯正とは何?

まず、インビザライン矯正とはどんな治療方法なのか紹介します。 インビザラインとは、取り外しできるマウスピース型の装置を使って歯列矯正する方法です。マウスピースは透明で、厚みは0.5㎜なので、装着してもほとんど目立たないという特徴があります。

使用方法はマウスピースを1日20時間以上装着するシンプルな方法です。1~2週間ごとに新しいものに取り替えていくことで、徐々に歯を動かしていきます。使用するマウスピースは始めの段階ですべて作られるので、頻繁に歯科医院に通う必要がありません。
ほとんどの場合、マウスピースの数は30~60枚程度に納められます。治療中にトラブルが起きてマウスピースの追加を行う場合は、治療開始から5年以内であれば何度でも可能です。

当初は適応症例が限られていましたが、毎年のようにバージョンアップが行われ、前歯の叢生はもちろん、噛み合わせの改善が必要な歯並びなど、さまざまな症例に適応しています。
インビザラインは1997年に開発され、日本では、2005年から正式に導入されています。これまでに、世界で1,400万人以上がインビザライン矯正を行い、日本でも全国3,100以上の歯科医院でインビザライン製品が取り扱われています。(2022年9月時点)

参照元:インビザライン公式HP

ワイヤー矯正とはどんな施術?

続いて、ワイヤー矯正について紹介します。 ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる器具を装着したとこにワイヤーを通し、歯を動かしたい方向に向かって力を加え、徐々に歯並びを整える矯正治療法です。
ワイヤー矯正の元となった「エッジワイズ装置」は、1900年代の前半に発明されていて、ワイヤー矯正には長い歴史があることがわかります。長年、世界で用いられてきた矯正治療方法だからこそ、幅広い症例に対応しているという点が特徴です。

ワイヤー矯正には主に、表側矯正と裏側矯正の2種類があります。 表側矯正は、その名前の通り、歯を動かすためのブラケットを歯の表側に装着する矯正方法です。

最も歴史のある矯正方法で、子どもから大人まで適用します。銀色のブラケットとワイヤーが目立つのが大きなデメリットでしたが、最近では、クリア装置や審美装置など、歯と同系色のブラケットを用いた矯正治療も行われています。
また、ワイヤーも金属製ではなく、白いコーティングがされているものを選べるようになりました。その分値段は上がりますが、目立ちにくいというメリットから選ばれています。

裏側矯正は、舌側矯正やリンガル矯正とも呼ばれ、歯の裏側に矯正装置を装着する矯正方法です。矯正治療中も外見を気にせずに過ごせるのが大きなメリットで、誰にも気付かれずに歯列矯正をしたいと考えている方におすすめです。

一方で、裏側矯正の費用は、表側矯正に比べて、1.5倍から2倍程度になることがあります。なぜなら、裏側矯正は高度な技術が必要だからです。歯の裏側は表側と異なり複雑な形をしています。そのため、ブラケットを装着する前に、綺麗に歯が並んだ状態の模型を作成し、ワイヤーが真っすぐになるようにブラケットを位置付けるコアというものをオーダーメードで用意する必要があります。そのコアを実際の歯にはめてブラケットを接着するという高い技術が求められるため、裏側矯正は高額になりやすいのです。

インビザライン矯正のメリット

まず、インビザライン矯正の3つのメリットを詳しく解説します。

メリット①装置が透明で目立たない

インビザライン矯正の大きなメリットの1つが、装置が透明で目立たないということです。マウスピースに使用するのは、0.5㎜程度のポリウレタン製です。机を挟んで会話をしていても、いわれなければほとんどの方は気が付きません。
歯列矯正を考えていても、目立つのが恥ずかしいと思う方は多いと思います。特に、人前に立つ職業の方や、接客業の方などは悩んでしまうでしょう。インビザライン矯正なら、ほとんど気付かれずに歯並びを整えられます。

関連記事:透明な矯正ってできる?目立たない矯正について徹底解説

メリット②装置の取り外しが可能である

インビザライン矯正で使用するマウスピースは取り外しが可能です。ワイヤー矯正は、1度装着すると、基本的に1年以上外せません。段々と慣れていくといっても、始めのうちはかなりストレスに感じるでしょう。
インビザラインは、食事の際や歯磨きの際に、自分でマウスピースの取り外しが可能です。普段のように、食事がとれる、歯磨きができるというだけで、矯正中のストレスの軽減につながります。

メリット③痛みを感じにくい

インビザライン矯正はワイヤー矯正に比べて痛みを感じにくいといわれています。なぜなら、歯をゆっくり動かしていく矯正治療法だからです。ワイヤー矯正では、基本的に1ヵ月に0.5㎜から1㎜程度、歯が移動させていきます。
一方でインビザライン矯正は、約0.3㎜から0.5㎜程度です。コンピューターのシミュレーションに基づき、何10枚ものマウスピースを交換して、少しずつ歯を動かしていくので、痛みの軽減効果が期待できます。歯列矯正中の痛みをなるべく抑えたいという方は、インビザライン矯正が向いているでしょう。

インビザライン矯正のデメリット

目立たないや痛みが少ないなど、メリットの大きいインビザライン矯正ですが、デメリットもあります。インビザライン矯正の3つのデメリットを解説します。

デメリット①適用できない場合がある

インビザライン矯正は、毎年の大幅なバージョンアップにより、適用症例が広がってきていますが、それでも、ワイヤー矯正に比べて、適応範囲が限られているといわれています。いくつか適用できない症例をご紹介します。

1つ目が、歯周病が進行している場合です。歯周病は、歯垢の中の細菌によって歯肉が炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かして、歯を失ってしまう病気のことです。
軽度の歯周病で、歯肉に腫れや出血がなければ、問題なくインビザライン矯正を行えます。しかし、歯肉に腫れや出血があると、歯を支える骨が溶けている可能性があります。矯正治療で無理に力を加えると歯が抜けてしまう恐れがあるため、治療は行えません。

2つ目が、叢生の症状が重度の場合です。叢生とは、歯が綺麗に並んでおらず、デコボコの状態のことです。
歯と歯が大きく重なり合っていたり、元の位置が大幅にずれていたりすると、歯を動かす距離が長くなります。インビザライン矯正は大きく歯を移動させることを苦手としています。

3つ目が受け口の症状がひどい方です。受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。受け口の原因は、上顎と下顎が本来の位置からずれていることにあります。骨格に大きな問題がある場合は、外科手術と歯列矯正が必要になるケースも。外科手術と矯正治療を行う場合は健康保険の適用になりますが、インビザライン矯正ではなく、ワイヤー矯正で対応しなければなりません。

デメリット②長時間装着しなければならない

インビザライン矯正では、自分でマウスピースの取り外しが可能ですが、長時間の装着を守らなければなりません。矯正治療中は、基本的に1日20時間以上の装着が必要です。1日に20時間以上ということは、1日3回の食事と歯磨きの時間以外は、マウスピースを装着していなければならないということです。
装着時間を守らないと、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びてしまうことがあります。

デメリット③マウスピースの管理が細かくて大変

マウスピースの長時間の装着に関連していますが、インビザライン矯正は、マウスピースの管理が細かくて大変という声が聞かれます。
まず、マウスピースを装着しながら食事はできないので、食事の度にマウスピースを外す必要があります。また、むし歯や歯周病の原因になるため、食後の歯磨きはどんなときでも必須です。間食が多い方や、外食が多いという方にとっては、取り外しや歯磨きが負担になるでしょう。

また、インビザライン矯正は通院回数が少ないのがメリットですが、その分、2週間に1度、自分でマウスピースを付け替えなければなりません。付け替えを忘れてしまうと、治療計画に支障が出るので、自己管理が苦手な方にはあまり向いていないといえます。

関連記事:歯列矯正中の食事はどうしたらいい?悩みを矯正歯科医が解決いたします!

ワイヤー矯正のメリット

続いて、ワイヤー矯正の3つのメリットについて解説します。

メリット①治療が短期間で終わる

ワイヤー矯正は、比較的短期間で治療が終わるのが特徴です。症状によって矯正期間に大きな差がありますが、表側矯正の全体矯正では1~3年程度、部分矯正では2ヵ月~1年程度といわれています。
また、裏側矯正の全体矯正は2~3年程度、部分矯正で5ヵ月~1年程度とされています。

インビザライン矯正の治療期間も2~3年程度が一般的といわれています。しかし、インビザライン矯正の開始から完了までは、「矯正期間」「保定期間」があります。矯正期間で歯並びを綺麗に整え、保定期間で後戻りを防ぐためのリテーナーを装着しなければなりません。
保定期間は短くて1年、場合によっては矯正期間の倍以上かかる場合も。インビザライン矯正では、少なくとも3年以上通院する必要があります。 矯正治療のスピードを重視するという方は、ワイヤー矯正の表側矯正がおすすめです。

関連記事:インビザライン矯正の後に必要な保定期間の目的・期間の目安と注意点

メリット②幅広い範囲に対応している

インビザライン矯正では、重度の叢生や受け口などの歯並びは治療が受けられないとご紹介しました。ワイヤー矯正は、歯を大きく動かす矯正や抜歯を伴う矯正、噛み合わせの改善を行う矯正など、ほぼすべての歯並びに対応しているのが特徴です。

具体的には、出っ歯やすきっ歯、受け口、八重歯、デコボコの歯並びなども適用されます。骨格に問題がある歯並びは外科手術が必要になることもありますが、そういったケースでもワイヤー矯正と併用して行われることが多いです。 インビザライン矯正の適用にならなかったという方も、ワイヤー矯正では問題なく矯正治療が行えるケースが多いでしょう。

メリット③症例数が豊富である

ワイヤー矯正は、100年以上の歴史があるため、症例数が豊富な治療法です。さまざまな症例ごとに、どんな治療を行えばよいのか、世界で研究されてきているともいえます。
また、ワイヤー矯正は、ワイヤー矯正専門の歯科医師が行うので適切に歯を移動させられます。歯の乱れが重度で、対応してもらえるか心配という方は、症例数や実績の多いワイヤー矯正を選ぶとよいでしょう。

ワイヤー矯正のデメリット

ワイヤー矯正は、歯並びの乱れが重度な方、早く治療を終わらせたい方にとってメリットが大きい治療方法ですが、デメリットもあります。ここでは、ワイヤー矯正の4つのデメリットを紹介します。

デメリット①装置が目立ってしまう

装置が目立つというのは、矯正治療をためらう大きな原因でもあります。特に大人になってから矯正治療を始めようとする場合は、恥ずかしいと思う方も多いでしょう。最近では、透明色の審美装置や白色のワイヤーも登場しています。

しかし、インビザライン矯正のマウスピースのように「目立たない」ではなく、あくまで「目立ちにくい」治療法です。至近距離で見ると、矯正治療をしていることはわかってしまいます。 裏側矯正は口の中をのぞかれない限り、矯正中だということはわかりません。ただ、表側矯正の1.5倍から2倍の費用というのがネックになる方が多いです。 他の人からわからないように矯正治療を行いたいという方には、やはりインビザライン矯正の方が向いているでしょう。

デメリット②食事に制限がある

ワイヤー矯正中は、食べ方を工夫すべき食材と、なるべく控えた方が良い食材があります。例えば、せんべいやナッツなどの硬い食べ物は、前歯でかじるような食べ方は避け、奥歯でゆっくり噛む必要があります。歯に固定しているブラケットが取れやすくなるためです。
野菜や果物は、生ではなく、茹でたり、小さくカットしたりして、矯正装置への負担を減らしましょう。

また、麺類や繊維を多く含む食材なども注意が必要です。歯とブラケットの間に挟まったり、ワイヤーに絡んだりすると、装置が取れやすくなるほか、そのまま放置しているとむし歯のリスクが高まるからです。なるべく細かくカットしてから食べるようにしてください。

なるべく控えた方が良い食べ物は、粘度の高いキャラメルやガム、餅などです。ワイヤー装置が壊れやすくなったり、食べ物が装置に付着したりする可能性があります。
矯正装置が壊れると口腔内を傷つける恐れもあるので、歯列矯正中はなるべく食べないようにしましょう。 普段と同じ食事を行えないことは、ワイヤー矯正のデメリットになります。

デメリット③歯磨きがしづらい

歯磨きがしづらいのもデメリットです。上手く歯磨きができないとむし歯や歯周病のリスクも高まります。磨き残しが多くなってしまうので、鏡を見ながら磨くのがおすすめです。食べ物のつまりを取るためにはフロスの活用も必須になります。

デメリット④口内トラブルが起きやすい

ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが舌や唇などの粘膜に当たることで口内炎などの口内トラブルが起きやすくなります。ずっと同じ位置に装置が当たるため、繰り返しトラブルが起きるのも特徴。矯正器具の調整が必要になることもあります。

関連記事:歯列矯正で口内炎ができる原因とは?予防のための6つの方法と対処法

インビザライン矯正とワイヤー矯正どっちがいいの?判断のポイント

ここまで、インビザライン矯正とワイヤー矯正のメリット・デメリットについて解説してきました。実際にどう判断したらよいのか、矯正治療方法を選ぶ際の4つポイントを紹介します。

ポイント①見た目

1つ目のポイントが見た目です。見た目を気にしないのであれば、ワイヤー矯正の表側矯正。ある程度目立たなくしたい場合は、表側矯正で審美装置や白色のワイヤーを使用することをおすすめします。他の人が見てもわからないように矯正したい場合は、ワイヤー矯正の裏側矯正かインビザライン矯正が選択肢になるでしょう。

ポイント②費用

2つ目のポイントが費用です。一般的に費用を抑えられるのが、ワイヤー矯正の表側矯正です。見た目が気になっても、費用を重視したいという方は、ワイヤー矯正の表側矯正を選びましょう。

関連記事:矯正治療の費用って?渋谷ルーブル歯科・矯正歯科の治療費用や注意点を徹底解説

ポイント③歯並びの状態

3つ目のポイントが歯並びの状態です。歯並びの乱れが重度で、歯を大きく動かす必要がある場合は、ワイヤー矯正でほとんどの症例が適用になります。歯並びの乱れが軽度の場合は、インビザライン矯正も選択肢になります。歯並びの状態は自分では正確に判断できないので、歯科医師に相談しましょう。

ポイント④治療期間

4つ目のポイントが治療期間です。比較的治療期間が短いのが、ワイヤー矯正の表側矯正です。1年から3年程度といわれています。ただ、矯正治療が終了するまでは矯正装置を外せないので、歯並びが整ったと感じられるのは治療の終了後になります。一方で、インビザライン矯正は、治療期間が2~3年、保定期間が1年以上かかるとされていますが、透明のマウスピースなので、歯並びが綺麗になったのを実感できるのは早いでしょう。

インビザライン矯正とワイヤー矯正は併用できる?

実は、インビザライン矯正とワイヤー矯正は併用できます。2つの矯正治療法を併用するメリット・デメリットについて解説します。

併用するメリット

インビザライン矯正に適用しなかった方もワイヤー矯正と併用することで治療可能になるケースがあります。インビザライン矯正は歯を大きく動かすのが苦手なため、歯列不正が重度な場合は適用できません。しかし、ワイヤー矯正でリカバリーすることで、インビザライン矯正で治療を進められるようになることも。また、歯を大きく移動させる際にワイヤー矯正を用いることで、治療期間の短縮にもつながります。

併用のデメリット

併用のデメリットは、そもそも、インビザライン矯正とワイヤー矯正の併用を行っている歯科医院が少ないことと、費用が高くなる傾向にあることです。併用治療の経験が豊富な歯科医院は少ないので、自宅の近くにないと、通院が負担になるでしょう。また、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用する場合、治療費が追加されるかは歯科医院によって異なります。ワイヤーやブラケットの材料費が必要な場合は高額なるので、事前の確認が必要です。

重視するポイントで矯正治療法を判断しよう

インビザライン矯正とワイヤー矯正はどっちがおすすめなのか、違いを解説してきました。それぞれにメリット・デメリットがあるので、一概にどっちがおすすめかはいえません。
「だれにもバレずに矯正治療を行いたい」「できるだけ安い矯正治療が良い」など、見た目や費用、歯並びの状態、治療期間など、自分が重視するポイントで矯正方法を選ぶのがおすすめです。

ぜひ渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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