目次

歯列矯正費用の分割払いはいくらかかる?シミュレーションも紹介

歯列矯正は自由診療のため、保険が適用されず実費で治療を受けることになります。費用が高額になりやすい一方、矯正装置や矯正方法によっては費用が大きく変わる場合も。

この記事では、歯列矯正にかかる費用の目安と保険適用が可能になる例外的な症例、分割払いの方法について詳しく紹介しています。

費用を抑えるポイントについても取り上げていますので、これから矯正治療を検討中の方は、支払い方法も含めてぜひチェックしてください。

 

渋谷で矯正歯科をお探しなら、渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

 

歯列矯正にかかる費用の相場は30万~150万円程度

歯列矯正は、保険適用の治療のようにすべてが同じ料金ではありません。患者さんごとに合わせて行う自由診療で、治療費の総額は人によって異なります。治療費を分けるポイントは以下のとおりです。

【歯列矯正の費用を分けるポイント】

  • ・矯正治療の範囲
  • ・矯正装置の種類
  • ・トータルフィーか否か
  • ・調整やメンテナンスの回数
  • ・通院にかかる交通費
  • ・矯正以外の治療の有無
  • ・小児矯正の場合
  • ・再治療や機能矯正の有無

矯正治療は、矯正装置を付けて動かす歯の本数や範囲、装置の種類や調整回数によって費用が変わります。一例として、部分矯正と呼ばれる前歯のみの治療では、お口の中全体を対象とする全顎矯正と以下のような違いがあります。

 

治療方法

部分矯正

全顎矯正(全体矯正)

治療費

30〜40万円程度

60万円〜

治療の範囲

上下の前歯(左の犬歯から右の犬歯までのエリア)

口の中のすべての歯

治療方法

マウスピース・ワイヤー

マウスピース・ワイヤー(難症例はワイヤーのみに制限される場合あり)

治療期間

数ヶ月〜1年半

1〜3年

保定期間

数ヶ月〜1年半

1〜3年

 

加えて、治療費の総額をあらかじめ提示する「トータルフィー」を採用しているかも全体的な費用に関係します。トータルフィーには、基本的な治療費が含まれている場合もあるため、総額を知るうえで参考になるでしょう。

また、患者さんによっては虫歯や歯周病の治療が加わったり、外科的治療が優先されたりと、矯正以外の治療費がかかる場合も。たとえば顎まわりの治療が必要な患者さんは、外科的治療に際して専門の病院を受診、精密検査を受ける費用がかかってきます。

小学生から以下の年齢を対象とする小児矯正では、お子さんの歯の成長に合わせて治療を前期と後期(1回と2回)に分けて治療するケースがあります。その場合、1回では治療が終わらないことに注意が必要です。

費用がかかる矯正治療では100万円を超えるため、30〜150万円までの幅をみておく必要があります。

関連記事:矯正治療の費用って?渋谷ルーブル歯科・矯正歯科の治療費用や注意点を徹底解説

矯正装置による費用の違い

矯正装置にはマウスピース・ワイヤーに加えて、部分矯正や筋機能矯正といった目的で治療が行われています。それぞれの治療の特徴・費用をチェックしていきましょう。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は「インビザライン」「アソアライナー」など、歯に装着して使う矯正装置です。重度の不正咬合には適用できませんが、脱着が自由に行えるため治療への精神的な重圧がなく、お口の中のケアもしやすくなっています。

治療の費用相場は40万円から。全顎矯正はワイヤー矯正と同じく、100万円を超えるケースもあります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯と歯の間をワイヤーで結び、ブラケットと呼ばれる器具を取り付けて行う矯正治療です。取り外しは一切行うことができず、通院のたびに調整を行って歯を動かしていきます。

治療の費用相場は60万円から。全顎矯正は100万円を超える場合がありますが、難症例や後戻りの治療などにも幅広く対応可能です。

次に、ワイヤー矯正の3つのタイプとして「表側矯正」「裏側矯正」「ハーフリンガル矯正」の特徴をみていきましょう。

関連記事:インビザラインとワイヤー矯正はどっちがおすすめ?違いを徹底解説

表側矯正

表側矯正は、歯の表側にワイヤーとブラケットを取り付けて矯正を行う方法です。

一般的な矯正治療の方法で、裏側矯正のように見えない矯正治療ではなく装置が外から見えてしまいますが、メンテナンスや調整がスムーズに行えるため、裏側矯正よりも費用を安く抑えられます。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側にワイヤーブラケットを通して行う矯正治療方法です。表側と違い、歯の裏側から力をかけていくため一見矯正をしているとわかりにくく審美性の高い治療ですが、高い技術力が必要になります。

裏側矯正に対応しているクリニック・ドクターは限られており、費用も表側矯正より10万円以上割高になる傾向にあります。

関連記事:裏側矯正とは?種類や費用について紹介いたします

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は、上下の歯列にそれぞれ表側矯正と裏側矯正を組み合わせる治療方法です。

矯正装置が目立ちやすい上の歯列は裏側矯正に、下の歯列は表側矯正にするといった方法であり、上下どちらも裏側矯正にすると治療費が高額になることから、費用を抑える効果も期待できます。費用の相場は表側矯正よりやや高くなりますが、完全裏側矯正よりも治療費は安くなります。

部分矯正

部分矯正は、上下の前歯(左右の犬歯の間の歯)を対象とした矯正方法です。お口の中のすべての歯を対象とする全顎矯正よりも費用を安く抑えられ、動かす歯も前歯のごく一部分のため、矯正治療の窮屈さを感じにくいメリットがあります。

費用の相場は30万円からと手頃ですが、前歯にのみ症状がある場合に限られるため、クリニックと話し合ったうえで治療を計画しましょう。

筋機能矯正

筋機能矯正とは、歯並びも含めたお口の全体、筋肉の機能を整えるための矯正治療です。子どもと大人のどちらにも適用でき、口腔筋機能療法(MFT)を組み合わせるタイプの治療も行われています。

ワイヤーではなくマウスピース型の筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を使用し、費用の相場は30万円からとなっています。

歯列矯正には保険適用されるのか

歯列矯正は審美性を高めるための施術でもあるため、基本的には自由診療に含まれます。ただし、噛み合わせの悪さによる機能的な問題が起きた場合は、保険適用の対象となります。具体的な症例は以下のとおりです。

【保険適用の対象となる症例】

  • ・「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
  • ・前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
  • ・顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療

公益社団法人 日本矯正歯科学会によれば、顎変形症の手術前後に行う矯正歯科治療など、限定的なケースについて保険診療の対象となります。

参照元:公益社団法人 日本矯正歯科学会

関連記事:矯正歯科における保険適用の可否とは?費用の目安と負担を抑える方法

歯科矯正治療費用の支払いのシステム

トータルフィーは、治療にかかる費用の全額を提示するシステムです。基本料金の中にすべてが含まれているため、基本的に追加料金が発生しません。

矯正治療は自由診療のため、かつては「◯万円だと思っていたら追加料金を請求された」「最初に聞いていた治療費と違うので困る」といった金銭的なトラブルが発生していました。

しかしトータルフィーを採用している治療では、総額表示に加えて内訳も明示されているので、内容を確認したうえで治療を契約することができます。

都度払い

都度払いは、治療を受けるたびに費用を支払う方法です。治療が始まると約1ヶ月に1回のペースで調整に通うため、月額制にも似た支払いシステムとなっています。

たとえば、ワイヤー矯正(表側)で総額816,000円なら、2年間の治療を目安に24回払いとして、1回あたり34,000円を支払います。

矯正治療の初期費用として発生する装置の作製料金や精密検査費も都度払いで支払いますが、そこからは患者さんごとに都度窓口で調整費やお口の中のケアにかかった費用を清算します。

分割払いのようにまとまった金額を先に契約するのではなく、契約を行わずに支払っていく方式のため、やむを得ず治療を途中で中止する可能性がある場合に向いている支払い方法です。

歯列矯正治療の支払いに使える分割払いとは

歯列矯正に使える支払い方法には、「デンタルローン」「クレジットカード」「院内分割」といった方法があります。それぞれの分割払いについて、特徴を詳しくみていきましょう。

デンタルローン

デンタルローンとは、自由診療の扱いとなる歯科治療に適用されるローンのことです。

金融機関が提供する金融商品で、治療にかかった費用をローン会社が立て替えたうえで、患者さんがその費用を利息とセットで分割払いにして返済します。

デンタルローンは最小で6回、最大で84〜120回までの支払い回数から選ぶことが可能で、支払い回数を細かく分けるほど1回あたりの費用が安く抑えられますが、回数分の利息も払い続けなくてはなりません。

関連記事:歯列矯正治療で利用できるローンの種類と支払い方法の比較

クレジットカード

クレジットカードは店頭・オンラインでの支払いや買い物に使われる方法です。

日本国内ではクレジットカードでの支払い需要が少ないことから、ほとんどの歯科クリニックでもクレジットカード払いに対応していないとされますが、一部のクリニックではクレジットカード払いが可能です。

カード会社に治療費を返済していく方法で、1回・2回・6回・10回などと分割払い形式での支払いが可能で、リボ払いやボーナス払いも選択できます。

ただしクレジットカードには利用枠と呼ばれる制限が設けられているため、制限を超えた金額の使用はできません。

歯科医院独自の院内分割

歯科医院では、独自に「院内分割」と呼ばれる分割払いシステムを採用しているところもあります。

院内分割は矯正治療や差し歯、インプラントなどさまざまな高額治療に適用され、矯正治療では開始月から終了月(保定も含む)までに、決まった金額を月々支払います。

院内分割はボーナスが併用できたり、手数料が無料になったりと患者さんに無理なく支払いが行えるシステムのため、デンタルローンやクレジットカード払いよりもお得感があります。

学生や主婦でも分割払いを使えるのか

歯列矯正にかかった費用を勤め人以外の方が分割払いする際の条件は以下のとおりです。

  • ・未成年の方:保護者が分割払いをする
  • ・主婦の方:アルバイトなどの収入がなければ配偶者名義でローンを組む

学生さんや未成年の方は、ローンを自身で組むことができません。自由診療である矯正治療についても、保護者の同意のもとで保護者が支払いを行います。

主婦(主夫)などで家庭に入り仕事をしていない方は、基本的に院内分割や都度払いが可能なクリニックを利用することをおすすめします。

アルバイトなどの何らかの収入源がなければローンの審査に通らない可能性が高いため、配偶者名義でのローンに切り替える必要があります。

歯列矯正費用を分割払いすると月々の支払いはいくらになるのか

歯列矯正費用を分割払いしたとき、月々の支払い額はいくらになるのでしょうか。

総額816,000円のワイヤー矯正(表側)を24回払いで支払う場合のモデルケースを、デンタルローン・クレジットカード・院内分割に分けてみていきましょう。

 

支払い方法

デンタルローン

クレジットカード

院内分割

治療費(総額)

859,177円(税込)

926,486円(税込)

816,000円

支払い額/月

35,700円(税込)

※初回のみ38,077円(税込)

38,600円(税込)

※初回のみ38,686円(税込)

34,000円(税込)

※初回の金額も同じ

備考

年利5%で計算

実質年率12.5%で計算

分割手数料無料のケースを適用

 

金利が高いクレジットカードの分割払いは総額が90万円を超えてしまいますが、分割手数料が無料の院内分割は決められた治療回数以内に治療が終了すれば、治療費のみの支払いに収まります。

歯列矯正の費用を抑えるポイント

歯列矯正の費用を抑えるためには、「部分矯正の検討」「トータルフィーの利用」「マウスピースの装着時間を順守」の3点が重要になります。それぞれの詳しい方法をみていきましょう。

ポイント①部分矯正を検討する

部分矯正とは、前歯の軽い乱杭歯や出っ歯、受け口を正しい位置に戻す治療です。対象は前歯に限られ、左右の犬歯を含む合計12本の歯のみが治療できます。

一例として、「歯にできたすき間が気になる」「1本だけ前に倒れているので他の歯と並べたい」といったニーズに適しており、全顎矯正よりも費用を抑えられます。

しかし、部分矯正の適用になるかどうかは精密検査・画像診断の結果によります。医師によっては全顎矯正を勧めるケースも少なくないため、可能なかぎり部分矯正に対応してくれるクリニック・ドクターを選びましょう。

ポイント②トータルフィーを利用する

「トータルフィー(総額提示)方式」とは、矯正治療にかかる費用をそれぞれ分けるのではなく、治療にかかるさまざまな費用を含めて提示する方法です。

追加費用を後から足し合わせて請求される心配がなく、治療費がまとめて提示されるため、費用の目安がすぐに把握できます。

トータルフィー方式を採用している歯科クリニックの多くは、矯正装置の作製と装着、調整といった「基本治療」の費用を総額の中に含めていますが、クリニックによっては装置が壊れたり外れたりした場合の急患対応費用などを含めていない場合があるため、総額の内訳には注意が必要です。

ポイント③マウスピースの装着時間を順守する

マウスピース矯正では、連続装着時間を守ることが大切です。自由に外せる矯正装置のため、食事や歯磨きの際に外したまま外しっぱなしにするケースがみられます。

マウスピースはワイヤーブラケット矯正装置と違い、強い力で歯を固定することができません。装着時間を守らなければ予定通りのスケジュールで歯を動かしきれず、矯正期間が伸びて来院回数も増えてしまうため、自宅や外出先などを問わず、常にマウスピースを外さないように注意が必要です。

ポイント④医療費控除を申請する

噛み合わせの悪さによって歯と歯茎の機能に問題が生じた場合は、医療費控除の対象になります。単に「歯並びを整えて口元を美しくしたい」といったケースでは、審美性を求めるための治療と判断されるため、医療費控除の対象外となります。

噛み合わせの悪さによるトラブルが起きていることが前提とはなりますが、医療費控除の対象になると、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に医療費を所得から差し引いて税金を抑えられます。

その年の1月1日〜12月31日までの間に支払った医療費の合計が一定額以上であれば、確定申告によって税の一部が戻ります。

関連記事:歯列矯正は医療費控除の対象?実際にどれだけお得になるのか解説

分割払いの方法を押さえてクリニックを選ぼう

今回は、矯正治療にかかる費用の支払い方法と分割払いについて紹介しました。モニター料金などを設定しているクリニックや、交通費のかからない近場のクリニックを探すなど、工夫して治療費を抑えることができます。

治療費の安いクリニックを選ぶ方法もありますが、費用だけをみてクリニックを選ぶと、合わない治療法を選択してしまうおそれもあります。患者さんの要望やお悩みに寄り添い、無理なく支払いが行えるクリニックがおすすめです。

ぜひ渋谷駅の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

ご予約・ご相談はこちら

 

この記事を監修した人

監修者の写真

医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

【略歴】