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歯列矯正治療で歯が動く仕組みは?治療の流れについても解説

歯列矯正治療はいくつかの方法があり、それぞれに特徴があります。

この記事では、歯の動きのメカニズムから各矯正治療の流れ、適応する歯の動きの種類に至るまで、詳しく解説します。 適切な治療法を選ぶための理解を深め、自分に合った矯正治療を見つけましょう。

 

 

 

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歯列矯正治療とは

歯列矯正治療とは、歯並びや噛み合わせの問題を表す、「不正咬合」と呼ばれる状態を治すための方法です。歯並びが悪いことで、笑うことや人と話すことに自信が持てなくなる、はっきりとした発音ができない、食事の時にうまく噛めないといった問題が起きます。

また、歯並びが原因で口が上手く閉じないと、口呼吸が常態化し、口臭の原因になることも。さらに、歯ブラシが届きにくいことで、虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯列矯正治療はこうした問題に対処し、自分の歯で美しい歯並びを作り上げます。矯正装置をつけて少しずつ力を加え歯を動かし、きれいな並びや正しい噛み合わせに整えていくのです。

関連記事:理想的な歯並びとは?その条件や治療方法を解説

歯列矯正で歯が動く仕組み

歯列矯正では、以下のように歯が動いていきます。

【歯の動き方】

  1. 1.歯を動かす力が歯根膜に伝わる
  2. 2.歯が動く方向へ骨を溶かす細胞が作られる
  3. 3.歯が動く方向の反対側に骨を作る細胞が作られる
  4. 4.歯根膜が一定の厚みをキープしようとする

ここでは、ワイヤー矯正によって歯が動く仕組みを解説していきます。

関連記事:ワイヤー矯正とは?仕組みや種類などを徹底解説

ステップ①歯を動かす力が歯根膜に伝わる

ワイヤー矯正により、歯に加えられた力は、歯の根を覆っている歯根膜に伝わります。歯根膜は、歯を支える骨と歯根との間に存在し、普段は噛む際のクッションの役割を果たしています。この膜が矯正時の力に反応し、歯を動かすために働いてくれます。

ステップ②歯が動く方向へ骨を溶かす細胞が作られる

力が加わると、歯が動く方向の歯根膜が圧迫されます。これにより圧迫された側の歯根膜は縮み、歯が進む方向に空間を作るために働く細胞が活発になります。こうした細胞の活動が、歯が移動するためのスペースを生み出します。

ステップ③歯が動く方向の反対側に骨を作る細胞が作られる

一方で、歯が動く方向と反対側の歯根膜は、力によって引き伸ばされます。伸ばされた側では骨を作る細胞が活動し、歯が移動してできたスペースを埋めていきます。このプロセスにより、歯が新しい位置に安定して留まることができるのです。

ステップ④歯根膜が一定の厚みをキープしようとする

歯根膜は自然に一定の厚さを保とうとする性質があります。歯が動いて歯根膜の厚さに変化が生じると、骨を溶かす細胞と骨を作る細胞の働きにより、歯根膜は元の厚さを取り戻そうとします。
この現象により、歯はゆっくりと確実に新しい位置へと移動していくのです。

歯列矯正治療の流れ

歯が動く仕組みについて理解したところで、歯列矯正治療の流れも把握しておきましょう。

【歯列矯正の流れ】

  • ・ワイヤー矯正の場合
  • ・マウスピース矯正の場合
  • ・外科矯正の場合
  • ・コルチコトミー矯正の場合

ここでは、代表的な4種類の治療法について紹介していきます。

関連記事:歯列矯正の流れとは?初診時の流れについて解説

ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正の場合、まずはカウンセリングや問診で、治療に対する願望や不安をしっかりと把握します。歯の状態や顎の骨の検査をレントゲンや歯科用CTで行い、その情報をもとに歯科医師が診断し、矯正治療の計画を策定します。計画が決定し、治療に同意したら必要な準備を進めます。

虫歯治療やブラッシング指導、歯のクリーニング、必要に応じて抜歯を行い、その後ブラケットの装着に進みます。ワイヤー矯正治療は長期間にわたり、細やかな調整が必要とされるため、定期的な通院が必要であることを覚えておきましょう。矯正治療が終了した後も、歯の後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる装置を装着し、定期健診を通じて口内の状態を保つことが求められます。

マウスピース矯正の場合

マウスピース矯正治療も同様に、カウンセリングや問診で治療に対する患者様の意向を確認します。その後、レントゲンや歯科用CTでの撮影をもとに、詳細な診断が行われます。 そして患者様の歯の型取りを行い、マウスピースが作成されます。マウスピースが完成し、歯科医院に届けられたら、治療が開始されます。

数週間ごとに形状が異なるマウスピースに交換しながら、徐々に歯を理想の位置へと移動させていきます。 マウスピースの装着時間や使用方法を守ることが治療成功の鍵となり、患者様の協力がなければいけません。矯正治療完了後も、歯の位置が安定するまでの間、リテーナーを使用し定期的なメインテナンスを受けることで、美しい歯並びを維持します。

外科矯正の場合

外科矯正の場合、まずカウンセリングで患者様の口腔状況を把握し、必要な検査を行います。患者様とともに治療方針を決めた後、口腔外科での手術が必要か確認し、手術前の準備として術前矯正治療を10~24ヶ月行います。
手術後は6ヶ月か〜1年半年程度で、術後矯正治療による噛み合わせの微調整を行い、その後数年にわたり保定装置で観察します。必要に応じ、手術で使用したプレートの除去も行います。全ての治療過程は患者様一人ひとりの状況に応じて行われます。

コルチコトミー矯正の場合

コルチコトミー矯正は、歯の移動を促進するために歯槽骨に溝を入れる手術と、矯正装置による圧力を組み合わせた治療法です。診断を経て手術が行われ、矯正装置を先に装着した後に歯肉を切開し、皮質骨に溝を掘ります。
手術後は骨の治癒が促進され、歯の移動が加速し治療期間が短縮されます。術後の痛みや腫れは一時的であり、日帰り可能な手術です。

歯が動くのに6ヶ月以上かかる理由

歯が動く速度は平均して1ヶ月に0.3mmとされているため、歯列のでこぼこが4.0mmある場合、単純計算でも1本の歯を動かすのに1年以上の時間が必要です。これが、歯列矯正が6ヶ月で終わらない主な理由の一つです。
一方で、外科的な施術を利用することにより治療期間を短縮することも可能ですが、メスを入れる必要がない方もいるため、平均して歯列矯正は6ヶ月以上の期間を必要としています。

関連記事:歯列矯正にかかる期間の目安・治療期間と短くするためのポイント

歯列矯正の歯の動きの種類

歯列矯正では、歯の動かし方にバリエーションがあります。

【歯の動き】

  • ・水平移動
  • ・傾斜移動
  • ・回転の動き
  • ・引っ込める動き
  • ・引っ張り出す動き
  • ・歯根の動き(トルキング)

6種類の動き方について解説していきます。

種類①水平移動

水平移動は、歯冠部と歯根部を平行に動かす方法で、特に抜歯後の隙間を閉じる際などに有効です。歯全体を均一に移動させるためには、ワイヤー矯正ではエッジワイズ装置を用いることが多く、形状記憶のワイヤーによって微妙な調整が可能となります。

また、インビザライン矯正では、複数のアタッチメントを歯に取り付けることで、均等な力を加えて歯を動かします。

関連記事:注目の矯正治療「インビザライン」とは?メリットや注意点も紹介

種類②傾斜移動

傾斜移動では、歯根部はほとんど動かさずに歯冠部を移動させる技術です。抜歯せずに倒れた歯を矯正する場合などに用いられます。 ワイヤー矯正で前後に歯を移動させるときは丸いワイヤーを、より精密な動きが必要な場合は四角いワイヤーを使用するなど、状況に応じて適切な器具が選ばれます。

種類③回転の動き

歯がねじれた状態を矯正する際には、歯を逆方向に回転させる方法が取られます。歯と歯槽骨の間にある歯周靭帯が、回転後に元に戻ろうとします。その力に対抗する必要があり、治療期間が長くなる傾向があります。

種類④引っ込める動き

圧下は、主に上の歯が下の歯にかぶさってしまっている状態を矯正する際に用いられる方法で、歯を歯茎の方向へ押し込む技術です。小さなネジを用いる、ワイヤーで力を加えるなど、矯正治療の中でも難易度が高いとされています。

種類⑤引っ張り出す動き

挺出は、歯を歯茎から引っ張り出す方法で、比較的簡単な移動方法とされています。ワイヤー矯正ではニッケルチタンワイヤーや顎間ゴムを使用し、インビザライン矯正ではアタッチメントを取り付けることで、効果的に歯を動かすことができます。

種類⑥歯根の動き(トルキング)

トルキングは、歯冠を中心としてトルクをかけ、歯根を回転方向に動かす技術です。上顎前突と過蓋咬合が併発している状態の矯正や、矯正後の後戻りを防止するために用いられます。

歯列矯正の仕組みを理解して治療に入ろう

今回は、歯列矯正で歯がどのように動いていくのか、そのメカニズムから治療の流れ、歯の動く種類について詳しく紹介しました。
治療方法にはワイヤー矯正やマウスピース矯正、外科的手段を含むものまであり、それぞれ治療に要する時間や動かす歯の種類が異なります。 自分の歯にとって適切な歯列矯正治療を選択し、歯科医師と相談しながら進めていきましょう。

ぜひ渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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