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差し歯になっても矯正治療は受けられる?方法と注意点をチェック

差し歯とは、歯の組織の一部を失った方のために、保険適用または適用外で行われる人工歯と、その治療方法の名称名です。 被せ物の土台になる棒を埋め込み、その上に人工歯を被せる方法ですが、虫歯に対する治療以外にも矯正治療との関わりがあります。

この記事では、差し歯を使った治療の特徴について、治療内容を踏まえながら詳しく紹介していきます。差し歯と矯正治療を両立する際の注意点についても取り上げていますので、人工歯の装着を考えている方はぜひ参考にしてください。

 

 

重度の虫歯を治療する方法

重度の虫歯とは、4段階または5段階に分かれている虫歯の進行のうち、レベル4から5に相当する状態です。すでに歯の原形が失われるほど虫歯が歯を溶かしてしまい、削れる場所も少なくなっています。

重度の虫歯は歯根(歯の根っこ)までも侵食されているケースが多く、抜歯が適用される場合が多いため、人工歯の装着が必要になります。差し歯・ブリッジ・インプラント・入れ歯について、それぞれの治療の特徴をみていきましょう。

方法①差し歯

差し歯は歯が完全に失われてはおらず、根管治療などで神経を抜き取った際に行う治療です。「コア(ポスト)」と呼ばれる部品を根管治療後の部位に埋めて、その上に被せ物を被せます。
コア(ポスト)と被せ物はどちらも人工の部品ですが、天然歯と同じように自然な仕上がりが期待でき、保険適用対象となるため、安価に治療を完了できます

方法②ブリッジ

ブリッジは元の歯が完全に失われた患者さんに対して、入れ歯やインプラントと同じく人工歯を取り付ける保険適用対象の治療です。
歯が失われ、空洞のようになっている箇所の両隣の歯があり、なおかつどちらも健康な天然歯の場合に、それらを支えとして中心に人工の歯を取り付けます。両隣の歯が支えるため、単独では埋め込めない歯がスムーズに差し込めます。

方法③インプラント

インプラントは、ブリッジや入れ歯と同じく元の歯が完全に失われた患者さんに対して、歯を埋入する治療方法です。 自費診療扱いのため費用がかかりますが、「両隣から人工歯を支えられない」「両隣に歯はあるけれど健康な歯ではない」「入れ歯を入れるほどのケースではない」などの状態に適用でき、健康な歯を削る必要がなく、どの位置にも単独で埋入することができます。

方法④入れ歯

入れ歯は代表的な人工歯治療であり、元の歯が複数本完全に失われた患者さんに対して適用されます。 数本の歯を入れ歯にする「部分入れ歯」と、上下どちらかまたはすべての歯を入れ歯にする「総入れ歯」に分けられ、保険適用治療ではバネを健康な歯に引っ掛けて人工歯を取り付ける治療が行われています。 バネがなく、マグネットなどを使って取り付ける入れ歯は自費診療になります。

差し歯の特徴

差し歯は患者さんご自身の歯根がまだ残存しているものの、根管治療を実施した歯に対して行う治療です。2つの特徴である「天然歯を削る」「人工歯を被せる」についてみていきましょう。

特徴①天然歯を削る

差し歯の治療では、土台の上に被せ物をするために天然歯を少し削らなければならない場合があります。健康な歯を損ねないように治療を行いますが、差し歯自身の形を整えて自然な装着を可能にするためには、元の歯を削らなければなりません。

特徴②人工歯を被せる

差し歯の土台を埋め込んだ後は、その上に人工歯を被せます。 人工歯は元の歯と同じ色や形のものを選びますが、天然歯と違い取れてしまう可能性や、被せてから一定時間が経過したときに寿命が訪れる点に注意が必要です。

差し歯と矯正の関係性におけるポイント

差し歯と矯正治療は併用できないものというイメージがありますが、実際には意外な関係性があります。ここからは、差し歯をしていても矯正治療が行えるのか、ブリッジとの違いも踏まえながら確認していきましょう。

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ポイント①差し歯でも矯正治療は可能である

矯正治療では、歯の歯根(歯の根っこ)とその周辺組織が健康であることが何よりも重要になります。

歯を移動させる際、ワイヤーなどで力が加わると歯が引っ張られ、歯根を覆っている「歯根膜(しこんまく)」に力が伝わります。この結果、歯が動いていく方向にある歯根膜は縮んで、押す側の歯根膜は伸びていきます。 縮んだ膜は元に戻ろうとして骨を溶かす「破骨細胞(はこつさいぼう)」を生成し、骨が溶けて吸収が行われ、吸収された側の反対側は歯が移動していきます。この差し歯があっても歯根や歯根膜がそのまま残存していれば、矯正治療自体を行うことは可能です。

ポイント②差し歯にも矯正装置の装着が可能である

ポイント①では、差し歯の有無に関わらず矯正治療ができる条件を紹介しました。 差し歯自身にも歯根と周辺組織が存在していれば、矯正治療を実施することが可能です。
ただし、差し歯になった歯に矯正器具を装着したとき、引っ張る力によって被せ物が取れるおそれがある場合は、治療を推奨されない可能性があります。

ポイント③矯正治療後に差し歯を作り直す場合もある

矯正治療によって差し歯が動いてしまった、または動いた可能性があるようなケースでは、矯正治療が終わってから再度差し歯を作り直す可能性があります。
すべての患者さんが差し歯を作り直す必要はありませんが、矯正する天然歯だけではなく差し歯になった歯も同様に大切なご自身の歯です。医師と相談のうえ、差し歯の状態もチェックするようにしてください。

ポイント④ブリッジがある場合も矯正治療は可能である

ブリッジは2本の歯で人工歯を支える治療方法です。両隣の健康な歯がぐらつかない限りは、人工歯を使い続けることができます。
歯根とその周辺組織が残っていれば治療自体は可能ですが、橋渡しがされた状態では人工歯が固定されてしまい移動させられないため、ブリッジを外した状態で矯正に入るケースが多くみられます。

差し歯と矯正治療を両立する際の注意点

ここからは、差し歯と矯正治療を両立する際に注意したい3つのポイントをみていきましょう。

注意点①歯科医師に相談する

1つめの注意点として、矯正治療を受ける予定のクリニックで必ず差し歯の件を相談してください。
部分矯正で差し歯の入っている歯に関係がない場合は問題なく矯正治療に入れますが、全顎矯正や上下どちらかの歯列など、差し歯の入った歯も含めて矯正を行うようなケースでは差し歯部分の状態をよく確認してから矯正の可否が判断されます。

注意点②装置が取れやすい可能性がある

差し歯になる歯は、元の歯を失っている状態です。被せ物を付けたといっても、天然歯のように歯根と一体になっているわけではないため、矯正装置を取り付けて引っ張ると、装置ごと取れる場合が考えられます。
取り付け方などにもよりますが、差し歯の被せ物がずれるおそれもあるため、差し歯でも矯正可能かどうかは医師とよく話し合って決めてください。

注意点③差し歯やブリッジの撤去が必要なケースもある

差し歯やブリッジに矯正を施す際、人工歯の上に装置を取り付ける方法では安全に矯正治療が進められないので、一度人工歯を撤去しなければならない可能性があります。
装置の撤去を行った後はもう一度装置を取り付ける必要があります。矯正治療が保定まで終了してから、歯列や歯の状態をチェックして再度装置の取り付けを行います。

患者さん目線の治療が実施できるクリニックを受診

今回は、差し歯の特徴と矯正治療が行えるかどうかについて、注意点も踏まえて紹介しました。 差し歯やブリッジはインプラントと違って取り外しが可能なため、矯正治療を併用することができます。
ただし、人工歯を付けた状態で矯正ができるかどうかは検査や医師の判断にもよるため、検査結果の内容をみながら医師とよく話し合うことが大切です。

現在差し歯があり矯正治療を検討している方は、ぜひ渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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