インビザライン矯正とは?費用の目安や治療の流れを解説
この記事を監修した人

医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
歯並びを改善したいけれど、目立つ矯正器具は避けたい。そんな方にぴったりなのが、インビザライン矯正です。透明なマウスピースを使用するため、矯正中でも自然な笑顔を保てます。本記事では、インビザライン矯正の特徴や費用、治療の流れについて詳しく解説します。気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
インビザライン矯正とは?
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを用いた最新の矯正治療法です。アメリカのアライン・テクノロジー社が開発し、1999年から提供を開始しました。現在では世界100カ国以上で利用され、1400万人以上が治療を受けています。 従来のワイヤー矯正とは異なり、インビザラインは3Dデジタル技術を駆使して作られた透明なマウスピースを使用します。このマウスピースは約2週間ごとに新しいものに交換し、少しずつ歯を理想の位置へ移動させていきます。 インビザラインの最大の特徴は、その目立たない外観です。透明で薄いマウスピースは装着していてもほとんど気づかれません。また、食事や歯磨きの際には取り外すことができるため、日常生活への影響が少ないのも大きな魅力です。
関連記事:インビザラインが人気の理由とは?マウスピース矯正について解説
インビザライン矯正の費用目安
インビザライン矯正の費用は、治療の範囲や期間によって異なります。 以下に、主なプランとその費用目安を紹介します。
適用度合い | 費用 | 期間 | |
インビザライン エクスプレス | 軽度の不正歯列や後戻り症例に適用 | 20万~40万 | 3~4ヶ月 |
インビザライン ライト | 軽度の不正歯列に適用 | 45万~65万 | 最大5ヶ月 |
インビザライン Go | 比較的軽度の不正歯列に適用 | 35万~50万 | 最大7ヶ月 |
インビザライン モデレート | 中度の不正歯列に適用 | 70万~90万 | 1年程度 |
インビザライン コンプリヘンシブ | 重度の不正歯列に適用 | 80万~100万 | 1年半~3年程度 |
これらの費用には、初診料や検査費用、リテーナー費用などが含まれていない場合があります。また、歯科医院によって料金設定が異なる場合もあるため、詳細は各医院に直接お問い合わせください。
インビザライン矯正の流れ
インビザライン矯正は、従来の矯正治療と異なり、デジタル技術を駆使した最新の治療法です。 治療の流れは大きく6つのステップに分かれており、それぞれの段階で細やかな対応が行われます。ここでは、カウンセリングから矯正治療終了までの一連の流れを詳しく解説します。
カウンセリング
最初に行われるのが、カウンセリングです。この段階では、患者さんの現在の歯並びや口腔内の状態を確認し、治療の目的や希望を詳しくお聞きします。 また、インビザラインの特徴や治療方法について詳しく説明し、患者さんの疑問や不安にお答えします。ここで得られた情報を基に、最適な治療計画を立てていきます。
精密検査
カウンセリングの後は、精密検査の段階に入ります。ここでは、レントゲン撮影や口腔内の3Dスキャン、歯型の採取などを行います。 特に、iTeroと呼ばれる口腔内スキャナーを使用することで、従来の型取りよりも正確で快適な検査が可能になりました。これらの検査結果は、詳細な治療計画を立てる上で重要な役割を果たします。
診断
精密検査で得られたデータを基に、歯科医師が詳細な診断を行います。この段階では、3D治療計画ソフトウェアを使用して、治療後の歯並びをシミュレーションします。 患者さんは、このシミュレーションを通じて、治療の流れや最終的な歯並びのイメージを具体的に把握することができます。また、治療期間や費用についても、より具体的な説明が行われます。
矯正治療開始
診断結果に基づいて作成されたマウスピース(アライナー)が届いたら、いよいよ矯正治療が開始されます。 最初のアライナーの装着時には、装着方法や注意点について詳しい説明を受けます。また、必要に応じて歯にアタッチメントと呼ばれる小さな突起を付けることもあります。これは矯正力を高めるためのものです。
定期健診
治療中は定期的に歯科医院を訪れ、治療の進行状況を確認します。通常、4〜6週間に1回程度の頻度で通院します。 この際、新しいアライナーへの交換や、必要に応じた調整が行われます。また、治療の進行状況に合わせて、治療計画の微調整を行うこともあります。
矯正治療終了
予定していた治療期間が終了し、目標の歯並びが達成されたら、矯正治療は終了となります。しかし、ここで注意が必要なのは、治療後の歯並びを維持するための「保定」という段階です。 通常、リテーナーと呼ばれる装置を使用して、一定期間歯並びを固定します。保定期間は個人差がありますが、長期的な歯並びの安定のために重要な段階です。
関連記事:インビザライン矯正の後に必要な保定期間の目的・期間の目安と注意点
インビザライン矯正に要する期間
インビザライン矯正の治療期間は、患者さんの歯並びの状態や治療の目標によって大きく異なります。一般的に、軽度の歯列矯正から重度の不正咬合の改善まで、様々なケースに対応できるのがインビザライン矯正の特徴です。 インビザライン矯正の治療期間は、大まかに以下のように分類されます。
・インビザライン エクスプレス:3〜4ヶ月
・インビザライン ライト:最大5ヶ月
・インビザライン Go:最大7ヶ月
・インビザライン モデレート:1年程度
・インビザライン コンプリヘンシブ:1年半〜3年程度
軽度の歯列矯正であれば半年程度で終了することもありますが、複雑な症例の場合は3年近くかかることもあります。治療期間は個人差が大きいため、正確な期間は歯科医師による診断後に決定されます。
関連記事:歯列矯正の期間はどのくらい?長くかかってしまう人の特徴とは?
インビザライン矯正のメリット
インビザライン矯正は、従来のワイヤー矯正とは異なる特徴を持つ治療法です。その独自の技術と設計により、患者さんに多くのメリットをもたらします。 ここでは、インビザライン矯正の主な4つのメリットについて詳しく解説します。
矯正器具が目立たない
インビザライン矯正の最大の特徴は、その目立たない外観です。透明で薄いマウスピースを使用するため、装着していてもほとんど気づかれません。 特に対人関係が重要な仕事や、人前に立つ機会の多い方に大きなメリットとなります。社会人や学生など、外見を気にする方でも安心して矯正治療を受けられます。
治療計画が3Dシミュレーションで確認できる
インビザライン矯正では、最新の3D技術を活用した治療計画が立てられます。専用の口腔内スキャナー「iTero」で撮影したデータを基に、コンピューター上で詳細な治療シミュレーションを行います。 患者さんは治療開始前に、自分の歯がどのように動いていくかを視覚的に確認できます。これにより、治療の見通しが立ちやすく、安心して治療に臨めます。
行動制限が少ない
インビザライン矯正では、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができます。そのため、従来のワイヤー矯正で必要だった食事制限がほとんどありません。 硬い食べ物や粘着性の高い食品も、マウスピースを外して食べることができます。また、歯磨きの際も通常通り行えるため、口腔衛生の維持が容易です。 これらにより、日常生活への影響を最小限に抑えながら矯正治療を受けられます。
違和感や痛みが少ない
インビザライン矯正では、歯に対して緩やかな力を加えて少しずつ移動させていくため、従来のワイヤー矯正と比べて違和感や痛みが少ないとされています。 また、ワイヤーやブラケットがないため、口内が傷つくリスクも低くなります。ただし、新しいマウスピースに交換した直後は軽い違和感を感じる場合もありますが、通常は数日で慣れていきます。
関連記事:痛みに弱い人必見!痛くない歯列矯正
インビザライン矯正のデメリット
インビザライン矯正は多くのメリットがある一方で、いくつかの制限や注意点も存在します。ここでは、インビザライン矯正を検討する際に知っておくべき主なデメリットについて解説します。
自己管理をきちんと行う必要がある
インビザライン矯正の成功には、患者さん自身の協力が不可欠です。マウスピースは1日20〜22時間の装着が推奨されており、この時間を守ることが治療効果に大きく影響します。 食事や歯磨き以外の時間は常に装着し、2週間ごとに新しいマウスピースに交換する必要があります。この自己管理ができない場合、治療期間が延びたり、効果が得られにくくなったりする可能性があります。
重度な歯周病やインプラントがあるとできない
インビザライン矯正は、歯や歯茎の健康状態が良好であることが前提となります。重度の歯周病がある場合、歯を動かすことで症状が悪化する恐れがあるため、適応外となることがあります。 また、多数のインプランドが入っている場合も、歯の移動が制限されるため、インビザライン矯正が適さない可能性があります。これらの場合、まず歯周病の治療やインプラントの状態の確認が必要となります。
歯科医の技術によっては治療ができない
インビザライン矯正は比較的新しい技術であり、その効果的な使用には歯科医の経験と技術が重要です。特に複雑な症例の場合、適切な治療計画の立案や調整には高度な専門知識が必要となります。 そのため、インビザライン矯正の経験が豊富な歯科医を選ぶことが重要です。経験の少ない歯科医では、期待通りの結果が得られない可能性があります。
対応できない症例もある
インビザラインは多くの歯列矯正に対応できますが、すべての症例に適用できるわけではありません。特に、顎の形態に大きな問題がある場合や、歯の回転角度が大きい場合など、インビザラインでは対応が難しい症例があります。 このような場合、従来のワイヤー矯正や外科的処置を併用する必要があることもあります。事前の診断で、インビザライン矯正が適しているかどうかを慎重に判断する必要があります。
関連記事:インビザライン矯正とは?治療ができない人の特徴や代わりの治療法
インビザライン矯正を受ける歯科医師を選ぶポイント
インビザライン矯正の成功は、適切な治療計画と経験豊富な歯科医師の存在に大きく左右されます。そのため、治療を受ける歯科医師の選択は非常に重要です。ここでは、インビザライン矯正を受ける際に、歯科医師を選ぶ際の主要なポイントについて解説します。
インビザライン矯正の症例実績が豊富か
インビザライン矯正の経験が豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。アライン・テクノロジー社は、症例数に応じて歯科医師にステータスを付与しています。 例えば、年間151〜400症例以上の実績を持つ歯科医師には「ブラックダイヤモンド・プロバイダー」の資格が与えられます。 このようなステータスを持つ歯科医師は、様々な症例に対応できる経験と技術を持っていると言えます。初回のカウンセリング時に、歯科医師の経験や実績について質問することをおすすめします。
治療計画をきちんと説明してくれるか
優れた歯科医師は、患者に対して詳細な治療計画を説明し、疑問点にも丁寧に答えてくれます。インビザライン矯正では、3Dシミュレーションを用いて治療計画を視覚的に示すことができます。 この計画に基づいて、治療の流れ、予想される結果、費用、期間などを明確に説明してくれるかどうかは重要なポイントです。また、治療中に起こりうる問題やリスクについても事前に説明があるか確認しましょう。
保定期間が短すぎないか
矯正治療後の「保定」は、治療結果を長期的に維持するために極めて重要です。一般的に、保定期間は少なくとも1年以上が推奨されます。治療終了後すぐに保定を終了してしまうと、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」のリスクが高くなります。 適切な保定期間を設定し、その重要性を説明してくれる歯科医師を選ぶことが大切です。また、保定装置の種類や使用方法についても詳しく説明してくれるかどうかも確認しましょう。
関連記事:矯正歯科の選び方とは!認定医が12のポイントを徹底解説!
インビザラインで目立たず快適な歯列矯正を実現
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使う最新の歯列矯正法です。目立たず取り外しも可能なため、多くの方に人気があります。 治療期間や費用は症例によって異なりますが、3Dシミュレーションで詳しい治療計画を立てられます。成功には、経験豊富な歯科医師の選択と患者さん自身の協力が大切です。 渋谷の矯正歯科・渋谷ルーブル歯科では、豊富な経験を持つ専門医がインビザライン矯正を提供しています。治療計画の説明から保定期間の設定まで、一人ひとりに合わせて丁寧に対応いたします。 インビザライン矯正に興味がある方は、ぜひ当院にお問い合わせください。
この記事を監修した人

医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
【略歴】
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- しんファミリー歯科 矯正監修
- 大手審美歯科クリニック 代診勤務医
- 医療法人清翔会 エスカ歯科・矯正歯科 院長就任
- 渋谷ルーブル歯科・矯正歯科 独立開業
- 医療法人社団 ルーブル設立 理事長就任
- 新宿ルーブル歯科・矯正歯科 開業
【所属団体】
- インビザライン社公認 ダイヤモンドプロバイダー
- インビザライン(マウスピース矯正)認定医
- インコグニート舌側矯正 認定医
- winシステム舌側矯正 認定医
- 日本矯正歯科学会 所属
- 日本成人矯正歯科学会 所属
- 日本顎咬合学会 所属
- 日本外傷歯学会 認定医
- 日本アンチエイジング歯科学会 所属
- 日本歯科審美学会 所属 他多数