歯列矯正にかかる期間は?治療が早く終わる人の特徴も解説
この記事を監修した人

医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
歯列矯正は、多くの人が美しい歯並びと健康的な口腔環境を手に入れるために選択する治療法です。 しかし、「治療期間が長い」というイメージから、踏み出す一歩をためらう方も少なくありません。 実際のところ、歯列矯正にはどのくらいの期間が必要なのでしょうか?また、治療を早く終えるコツはあるのでしょうか? この記事では、歯列矯正にかかる期間と、治療が早く終わる人の特徴について詳しく解説します。
歯列矯正にかかる期間
歯列矯正は、一般的に3年から4年半程度の期間を要します。この期間は、実際に歯を動かす「矯正期間」と、矯正後の歯の位置を安定させる「保定期間」に分けられます。それぞれの期間について、詳しく見ていきましょう。
矯正期間
矯正期間は、歯科矯正装置を用いて実際に歯を動かす期間です。一般的に1年から2年半程度かかります。 ただし、この期間は個人の歯並びの状態や選択する矯正方法によって大きく異なります。例えば、軽度の歯列不正の場合は6ヶ月程度で終わることもあれば、複雑な症例では3年以上かかることもあります。
保定期間
保定期間は、矯正によって動かした歯を新しい位置に安定させるための期間です。通常、2年程度が目安とされています。 この期間中は、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用して、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」を防ぎます。保定期間は矯正治療の成功を左右する重要な段階であり、リテーナーの適切な使用が不可欠です。
関連記事:インビザライン矯正の後に必要な保定期間の目的・期間の目安と注意点
使用する器具による矯正期間の違い
歯列矯正には様々な方法があり、それぞれの特徴や治療期間が異なります。患者さんの歯並びの状態や希望に応じた矯正方法を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な3つの矯正方法とそれぞれの治療期間について解説します。
インビザライン矯正
インビザライン矯正は、透明なマウスピース型の装置を使用する矯正方法です。治療期間は通常、2ヶ月から3年程度です。 軽度な歯列不正の場合は短期間で終了することもありますが、複雑な症例では従来のワイヤー矯正と同程度の期間がかかることもあります。 インビザライン矯正の大きな特徴は、装置が目立ちにくく、取り外しが可能な点です。ただし、1日20時間以上の装着が必要とされ、装着時間を守ることが治療期間に大きく影響します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで連結して歯を動かす従来の矯正方法です。治療期間は一般的に1年から3年程度です。 ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できる信頼性の高い方法ですが、装置が目立つことが欠点となる場合があります。 定期的な調整が必要で、通常1ヶ月に1回程度の通院が必要となります。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側に装置を装着する矯正方法です。治療期間は約1年半から3年程度で、表側のワイヤー矯正とほぼ同等です。 以前は技術的な難しさから治療期間が長くなる傾向がありましたが、現在では改善されています。 裏側矯正の最大の利点は、装置が外から見えないことです。ただし、舌への違和感や発音への影響がある場合があります。
関連記事:人目が気にならない矯正「裏側矯正」
歯列矯正に時間がかかる理由
歯列矯正治療が長期間を要する主な理由は、歯を動かすプロセスが人体の生理的な反応に基づいているためです。 歯を支える骨(歯槽骨)の代謝を利用して歯を移動させるので、ゆっくりと進める必要があります。 歯を動かすメカニズムは以下のとおりです。
- 矯正装置で歯に圧力をかける
- 骨細胞が活性化し、骨の吸収と形成が起こる
- 歯が少しずつ動く(1ヶ月で約1mm)
このプロセスには時間がかかります。急激な力は歯や周囲組織にダメージを与える可能性があるため、緩やかな力を長期間加え続けることが重要です。また、歯は周囲の歯との関係性の中で動くため、全体のバランスを考慮しながら調整を重ねる必要があります。 歯列矯正に時間をかけることで、人体の生理的な反応を尊重し、安全かつ効果的に治療を進めることができます。時間はかかりますが、じっくりと取り組むことで、健康的で美しい歯並びを実現できるのです。
関連記事:歯列矯正を早く終わらせたい方必見!3つのスピード矯正方法のご紹介
矯正が早く終わる人の特徴
歯列矯正の治療期間は個人によって大きく異なります。中には比較的短期間で治療を終える方もいます。ここでは、矯正治療が早く終わる傾向にある人の特徴を紹介します。 これらの特徴を知ることで、自身の治療期間の目安を立てたり、より効果的な治療につなげたりすることができるでしょう。
虫歯や歯周病がない人
口腔内の健康状態は、矯正治療の進行速度に大きく影響します。虫歯や歯周病がない人は、治療がスムーズに進む傾向にあります。 これは、健康な歯や歯茎が矯正力に適切に反応し、効率的に歯を動かせるためです。また、虫歯や歯周病の治療のために矯正を中断する必要がないため、全体の治療期間が短くなります。 定期的な歯科検診や日々の丁寧な歯磨きは、矯正治療を始める前から心がけておくことが大切です。
年齢が若い人
一般的に、若い人ほど矯正治療の効果が短期間で現れやすいです。これは、若年層の方が骨の代謝が活発で、歯を支える骨(歯槽骨)の改造が速やかに行われるためです。 特に成長期の子どもは、顎の成長に合わせて効果的に矯正を行えるため、治療期間が短くなることがあります。ただし、大人になってからの矯正でも、個人差は大きいので、年齢だけで治療期間が決まるわけではありません。
矯正をする際に抜歯が必要ない人
歯並びを整えるために抜歯が必要ない場合、治療期間が比較的短くなる傾向があります。抜歯が必要な場合は、抜歯後の空間に歯を移動させる時間が必要となり、全体の治療期間が長くなります。 また、抜歯をしない矯正では、歯を動かす距離が短くて済むことが多いため、治療期間を短くできる可能性が高くなります。ただし、抜歯の判断は個々の症例に応じて慎重に行われるべきで、長期的な口腔の健康を考慮して決定されます。
関連記事:歯列矯正で抜歯は絶対に必要?抜くメリット・デメリットについて
矯正期間を延ばさないために意識したいポイント
歯列矯正の治療期間を不必要に長引かせないためには、患者さん自身の協力が欠かせません。日々の生活の中で意識すべきポイントがいくつかあります。 ここでは、矯正治療をスムーズに進め、できるだけ早く理想の歯並びを手に入れるために重要な3つのポイントを紹介します。これらを日常的に実践することで、より効果的な治療につながります。
歯磨きを丁寧にする
矯正治療中は通常以上に丁寧な歯磨きが求められます。特に装置を装着している場合、歯垢や食べかすが溜まりやすくなります。 これらをしっかり取り除かないと、虫歯や歯周病のリスクが高まり、治療の中断や遅延につながる可能性があります。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用し、装置の周りも含めて隅々まで清掃することが大切です。 また、歯科医院で指導された正しい歯磨き方法を守り、1日3回以上、食後にはできるだけ歯を磨く習慣をつけましょう。
正しい付け方で装着する
マウスピース型矯正器具やリテーナーなど、取り外し可能な装置を使用する場合、正しい装着方法を守ることが極めて重要です。 装置を適切に装着しないと、歯を動かす力が十分に働かず、治療効果が低下し、結果として治療期間が延びてしまいます。 特にマウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されています。食事や歯磨き以外の時間はできるだけ装着し、医師の指示通りに使用することが大切です。また、装置の取り扱いにも注意を払い、破損や変形を防ぐことも重要です。
決められたペースで通院する
定期的な通院は、矯正治療を順調に進めるために不可欠です。通院時には、歯の移動状況の確認や装置の調整、新しいマウスピースへの交換などが行われます。 これらの処置を適切なタイミングで受けることで、効果的に歯を動かし、治療を進めることができます。 予定されている通院日をキャンセルしたり先延ばしにしたりすると、治療の進行が遅れ、全体の治療期間が延びる原因となります。仕事や学校などのスケジュールを調整し、できる限り決められた通院ペースを守るよう心がけましょう。
関連記事:インビザライン矯正を途中でやめたらどうなるの?リスクを徹底解説
歯列矯正の期間と効果的な治療のポイント
歯列矯正は通常3〜4年半程度かかり、矯正期間と保定期間に分けられます。 治療方法によって期間は異なり、インビザライン矯正は2ヶ月〜3年、ワイヤー矯正は1〜3年、裏側矯正は1年半〜3年程度です。治療に時間がかかる理由は、歯を支える骨の代謝を利用するためです。 矯正が早く終わる特徴として、虫歯や歯周病がないこと、若い年齢であること、抜歯が不要なことが挙げられます。治療期間を延ばさないためには、丁寧な歯磨き、装置の正しい装着、定期的な通院が重要です。 渋谷ルーブル歯科では、お客様一人ひとりの状態に合わせた最適な矯正治療プランをご提案しています。美しい歯並びを手に入れるため、まずは無料カウンセリングにお越しください。
この記事を監修した人

医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
【略歴】
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- しんファミリー歯科 矯正監修
- 大手審美歯科クリニック 代診勤務医
- 医療法人清翔会 エスカ歯科・矯正歯科 院長就任
- 渋谷ルーブル歯科・矯正歯科 独立開業
- 医療法人社団 ルーブル設立 理事長就任
- 新宿ルーブル歯科・矯正歯科 開業
【所属団体】
- インビザライン社公認 ダイヤモンドプロバイダー
- インビザライン(マウスピース矯正)認定医
- インコグニート舌側矯正 認定医
- winシステム舌側矯正 認定医
- 日本矯正歯科学会 所属
- 日本成人矯正歯科学会 所属
- 日本顎咬合学会 所属
- 日本外傷歯学会 認定医
- 日本アンチエイジング歯科学会 所属
- 日本歯科審美学会 所属 他多数